murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

夏になると必ずメガネを買ってくれるのです

50歳代前半の男性のお客様、ずいぶん前に見え方に不満があって、その前に普段からめまいや吐き気があることが気になって脳神経外科に行ってみたところ「これは眼科の範囲です」といわれてから眼科には行かずウチの店を使ってくださるようになりました。ホントは行ってくれた方がいいんだけどね、どうも面倒だとおっしゃるんですよ(汗)
その方は若干の遠視と近視系乱視のあるいわゆるミックスという状態の目をしていらっしゃいます。こういう性質の目が一番疲れるんじゃないかなと思うんですが、遠くと近くの両方に焦点があるわけだでそれだけ聞けば便利そうなんですけどね、そのおかげでうまく焦点が合わないとご本人曰く「ピシャっと見えない」わけで、イライラが募っていたんだそうです。その状況をメガネを掛けることで解消できるとわかってもう10年以上になりますね、それからのお付き合いです。
毎年、「今年はこんな気分」と夏になると自分の今年のカラーを決めてお洒落をするという、とっても粋な方なんですが、そういう方だからこだわりもすごくてですね、フレームとテンプルの接続部分の微妙なでっぱりが気になるとか、サイドの飾りがなければOKなのにとか、微妙な微妙な注文が多いんです・・・・・。まぁその分その条件が満たされると値段も聞かないで作ってくれるんですが。
今年は「ホワイト&ブラック」が基本カラーとのことで、麻の入ったお洒落なスーツを新調したのでそれに合わせてホワイトゴールドのツーポイント(ふちなし)か黒の細身セルフレーム(プラスチック枠)どちらかで探してくれとのご要望で、ホワイトゴールドは今までナイロールフレーム(上半分に枠がついているもの)で作っているし、イエローゴールドだけどローデンストックのツーポイント(しかも限定品)を持ってるからいらないんじゃないかと思ったんですが、そういうものじゃないんですね、「今年は今年のメガネ」がいるんですね、うん。で、探しました。でもなかなかね、今年の金相場とか見ると値段が高騰してるじゃないですか、それもあってかホワイトゴールドのツーポイントはそう簡単に見つかるものではなくて、もう一方の黒の細身のセル枠ってのも金属枠と同じくらい細いのがいいというんですもん、難しいです。ツーポイント枠は2本見本を取り寄せたんですが、案の定「テンプルがもうちょっと細かったら」と「ここのテンプルのふくらみは余計だ」と即座に却下されました(泣)

結局、カタログで探し出したシャルマンの「Z」というデザインもので作りました。これは新商品でかなりお洒落度の高いチタン枠、カラーはブラックマットで余計な飾りは一切ないんですがヨロイといって前枠とテンプルの橋渡し部分がぐっと入り込んだカーヴを描いていてそれ自体かっこいいんですけどそれが唯一いらない部分だって言うんですね。うーん、かっこいいんだけどなぁ。
全体がいまどきにありがちなつり目タイプのデザインなんで、わざとたれ目にラインを変形させて加工します。いつもそうするんですが、そうしないとご本人曰く「気障になりすぎる」とのこと。こだわりもここまでくると気持ちがいいなぁと思わず思ってしまうのです。