murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

遠近両用の2本目

今年の1月に遠近両用を作ってくださった極弱い近視の男性のお客様が、「他のメガネが使えなくなった」と言って来店されました。今度は自宅用に1本遠近両用を作りたいとのご相談です。
お仕事は塗装業をされていて、細かい指示書を見ながら次に広い壁面などを見ると焦点が合わなくてツライ、と何度かお話があった末にようやく遠近両用を作ろうという気になったのが1月、年齢は48歳ですから近くの見えにくさを感じるには早くも遅くもないといったところですが、左右の度数に若干の違いがあるのと乱視があるのでメガネをはずすと焦点の合う距離に微妙な差ができて、仕事柄なんだろうけどなんとなくすっきりしないのがいやだってずいぶん言ってたんですよね、でも遠近両用はまだ早いかなって、そうだな、2〜3年くらいそういうやり取りが続いてたでしょうか。
そういった経過を経て作った遠近両用はとても気に入っていただけたらしく、顔を見るといつもそのメガネを掛けていたのはわかってたんですが、仕事以外でも遠近両用をかけないと物がすっきり見えなくなった、焦点が近くを見たときにパッと合わない時、ああこれは遠近両用じゃなかったと思うのがとてもわずらわしい、と仰るんですね。それまでは遠近両用は仕事専用、自宅にいるときは遠くを見る専用の単焦点近視補正のメガネか裸眼で過ごしていたと言うんです。

まぁ、そうだろうなぁ。遠近両用に慣れちゃったら、ただの単焦点には不満を感じるだろうなぁ。たぶん、一番いい時期に遠近両用をかけて慣れてもらったんだと思うんですよ、もっと遅い時期になったら加入度数が強く必要になるからなれるのも大変、手元の見えづらさも裸眼だけでは物足りなくなってきたのが近用部の視界の狭さよりも見やすさの方が勝ったから、すぐに慣れることが出来たんだと思うんですね。
1月に作ったのはセイコーP−1ウイング156DMC2、累進帯は16ミリで揺れもそんなに感じないとのこと、ラクケアでコーティングして傷に対する対策もしてあります。レンズは同じものを作ってフレームはもうちょっと上下幅の広めのものにしました。今度は動くよりも寝っころがっているほうが多いから、視界の広めのものがいいとのことですけど寝っころがると遠近両用は使いづらくなるんだけどなぁ・・・そのことはお話しましたけど、慣れてるから、と返事がきたってことはすでにやってると言うことですかね(笑)

そういえば6月にニコンから「ファーストステップ・アイ」と言う名前で廉価版の遠近両用が発売されましたけど、これってプレシオiの累進帯15ミリのものを価格を抑えて発売したということで、考え方はセイコーP−1ウイング156DMC2・16ミリと同じで累進帯の幅が長いから揺れが少ないと思ったらいいのかなと思います。遠近両用の揺れを強く感じてなれにくい場合、各メーカーから最新で出ている「ゆれ・ゆがみ」をレンズ自体の設計で感じにくくするとなると当然ながら今までのノウハウも駆使してるし開発にだって時間も費用もかかってるから高めの価格になるんですが、まぁそりゃあ素晴らしく使いやすくはなってますけど、大概が累進帯が14ミリなんですよね。目線の上げ下げをあんまりしなくてもちゃんと視線が近用部にいくようになってる、でもその動きで揺れを感じる方はやっぱりいらっしゃいます。そういうときにはこの累進帯の長めの設計のものを試してみるのもいいと思うんですよ。だいぶ下に近用部があるから視線はぐっとさげなくちゃいけないけど、その分遠用部と中間部がある程度長さがあるのでいきなり揺れると感じることが少ない。
まぁ、遠近両用を作るときはテストレンズでいろいろなものを試して自分の見え方を知ることも大事だと思います。