murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

サングラスのお話

私の住んでいるところは今日は夏らしい、暑い日差しがさんさんと降り注ぐいい天気になっているんですが、こういう日はやはりサングラスが欲しいなぁと思うものですよね。
サングラスと言うと「色の濃いメガネ」と言う印象が強いですが、色を濃くすると目はどうなるかと言うと光を取り入れる場所である「瞳孔」が大きく開くんですね。虹彩の中心にある「瞳孔」はカメラの絞りと同じ原理で、目の奥にある網膜に当たる光の量を調整する為の働きをします。目に強い光を当てた時や、明るい場所では瞳孔は小さくなり(縮瞳:しゅくどう)、光を遮断したり暗い場所では瞳孔が大きく(散瞳:さんどう)なります。これは「明暗順応」と言って目の持つすごく精巧な自動調節機能といえます。
また、強い光や明るい光を目に受けて瞳孔が小さくなると同時に、網膜の反応が鈍くもなります。感度が低くなる、と言う感じかな?その反対に光が弱く暗くなると網膜の反応は良くなります。夜真っ暗な中で目が覚めて、しばらくは怖いなと思うような暗闇でも次第に何とか周りの状況がわかるようになってくるというのはこの「暗順応」のおかげで網膜の感度が上がった所為ですね。
と考えると、色の濃いサングラスをかけて目に入ってくる光を暗いものにするとどうなるでしょう。
瞳の中の瞳孔は大きく開き光を目いっぱい取り入れようとして、なおかつ網膜の感度は上がります。眩しい光を避けるためにサングラスをかけるのに、目はそのために光を感じるために一生懸命反応することになるんですね。
外の光(太陽光)には目に有害な光線である「紫外線」が含まれています。A・B・Cと三種類ある紫外線のうち、UV−C(C領域紫外線:100〜280nm)はオゾン層に吸収され地上には降りてきませんが、UV−AとUV−Bは絶えず地上に降り注ぎます。一般のプラスチックレンズはUV−B(中波長域:280〜315nm)はカットしますがだいたい320nm以上は紫外線カットしません。UV−A(A領域紫外線:315〜400nm)をカットするには「紫外線除け」と言う特殊コーティングが必要になります。この各種紫外線が目に及ぼす影響は、短波長のほど悪影響が強くなりますので一番の悪玉であるUV−C波は地上に届きませんからちょっとは安心できますし、UV−B波はオゾン層を通って地上にやってくる確率がUV−A波よりは少ないですから、その影響も少ないと言えます。UV−B波が増えると目では角膜炎、身体では皮膚がんが増えると言われていますが、この増加にはオゾン層の破壊が深く関わっています。オゾン層が1%減少すると紫外線量が2%増加するんですが、数年前から話題となっている「フロン」がこのオゾン層を破壊するとわかってきて規制されるに至ったんですね。
UV−A波は一番長波長で、一般のプラスチックレンズでは通り抜けてしまいます。紫外線除けの特殊コーティングがかかってないと、少なからず目に影響します。このA波は水晶体に吸収され、白内障の原因のひとつと言われています。
色が濃いだけのサングラスとしていると、そういった有害な光線も光を目いっぱい取り入れようとする為に大きく開いた瞳孔を通して大事な目の中に入ってきてしまいます。現在販売されているサングラスには当然のように紫外線除けが入っているのは、そういった理由があるんです。
ものすごく安いサングラスを見かけることがあるんですが、それには紫外線除けが入っているのかどうか、ちょっと心配になります。ファッションとしてはいいなぁと思うサングラスはたくさんあるんですが、そこで紫外線除けが入っていないとわかると顔にかける気にならないんです。
サングラスを購入される場合にはぜひこの「紫外線除け」がはいっているものを選んでくださいね。(まぁさすがに近頃では市販もので紫外線除けが入っていないものを探すほうが難しくはなっておりますが/笑)