インペアードパフォーマンス

以前花粉症の薬を飲んでいると、すごく眠くなって起きていられないことがありました。飲んでいたのは「セルテクト」という薬です。これ、すごく利き目が早くて鼻水はすっきり止まるし目もかゆくならないんですがとにかく眠くなる。持続時間が半日から１日ということで、一番ひどいとき以外は夜寝る前に飲んでいたこともあります。うーん、それって意味ないじゃん、と昨日の内容を書いた後では思いますね（笑）その後、飲み薬は漢方薬に変えてからねむけというのはあまり感じられなくなりましたが、今朝のめざましテレビを見ていてあのときの眠気は「インペアードパフォーマンス」というものだったのか、と思いました。
「インペアードパフォーマンス」とは、自分の自覚無しに集中力・判断力・作業能率が低下した状態に陥る状態を言います。花粉症の治療に効果のある抗ヒスタミン剤の中には鎮静作用の高いものがありますが、それが鼻水や目のかゆみを押さえるばかりでなく、脳の活性化を押さえてしまうので自分も周りも気がつかないうちにだるさや判断能力の低下がおきていていつもならこんなことしないのに、というような間違いをしてしまう、というのです。一番多いのは眠気からくる反射神経の低下で、車のブレーキへの反応速度がウイスキーシングル３杯分と同じくらいの低下だって言うんだからオドロキです。そういえば、上のセルテクトを処方してもらったときには「車の運転前には絶対に飲まないでください」といわれてました。ウイスキー３杯分になるっていうんなら、飲むなというのは当然です。
なぜ抗ヒスタミン剤で脳内の活性化まで抑制されるのか、これはヒスタミンの働きを考えると良くわかります。花粉症とはヒスタミンという物質が鼻や喉、目などの受容体に結合して鼻水やかゆみ、喉の痛みを引き起こすことで起こる症状で、この結合を防ぐ（いわば邪魔をする）のが抗ヒスタミン剤です。しかし脳にあるヒスタミンは学習と記憶の増強、自発的運動能力の向上、覚醒の増加と徐波睡眠の減少など、活動する上で必要な促進作用があったり、食べすぎの抑制、痙攣の抑制、ストレスによる興奮の抑制などいわば活動上バランスをとるために必要な抑制をつかさどっているのですが、これにも受容体が必要でそれと結びつかないと活動が活発になりません。抗ヒスタミン剤自体はどれが邪魔していいヒスタミンの受容体でどれが邪魔しちゃいけないヒスタミンの受容体かはわかりませんから、脳内ヒスタミンの受容体への結合もブロックしてしまうので、花粉症の薬を飲むとなんとなくだるい・倦怠感が取れない・判断能力が落ちた、という状態になってしまうというんです。
なんとも怖い。脳内の活性化が抑制されているわけだから、視力的にも落ちていることは間違いありませんよね。たとえばアルコールが入っている状態で本人が「大丈夫」といっている場合、今までの経験では体外の方が１割程度視力が落ちていると考えられます。自分は１．２の視力がある、という方でも、缶ビール１本飲むと０．９くらいに落ちているといえるわけです。５メートル離れて１センチくらいのものが見えていたのが３センチくらいじゃないと良くわからない、といった程度ですがこれは「たいして変わらないじゃん」といえるものではありません。そういった状態に花粉症の薬、効ヒスタミン剤を飲んでなってしまうわけですから、自分の症状とよく相談して一番ひどいときは抗ヒスタミン剤を使い、安定してきたら抗アレルギー剤（私はインタールにしてもらってました。これは副作用がほとんどないです）にするなど、先生に状態を説明して処方を変えてもらうとか副作用の少ない薬にしてもらうことが必要になってくると思います。かくいう私は漢方薬に変えてからは結局体質改善薬のようなもので、衛益顆粒を１年のうちに６ヶ月以上（花粉対策としては１月から飲みます）飲みます。人によって合う合わないは必ずあると思いますが、これの追加で症状が出たときに小青竜湯を朝お湯に溶かして（顆粒のがあるんで）飲みます。鼻水が出なくていいんですよこれが！（笑）でもって最盛期は点眼薬と点鼻薬を使います。フルナーゼというステロイド剤で、これは効果が高いんですが副作用の所為か長く使えないというので本当に最盛期のみですね・・・・・
とにかく、今から対策です！

参考ＨＰ
スギ花粉症ラボ　http://www.page.sannet.ne.jp/ojasasa/tablets.html
アレルギーｉ　http://www.allergy-i.jp/hifu/hisutamin/index.html
耳鼻科５０音辞典　http://homepage1.nifty.com/jibiaka50/index.htm
（上記サイトの中の）アレルギー性鼻炎抗ヒスタミン剤の分類　http://homepage1.nifty.com/jibiaka50/arehisutamin.htm