murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

3Dのためのガイドラインと目の健康

3D映画や3Dテレビ、3Dパソコンなど、視覚的に立体的な臨場感が得られる映像、体験型映像が増えていく中で、ある一定の基準を設けて安心安全な3Dを楽しむためのガイドラインが公開されました。今朝のニュースでその話を聞いた方も多いと思います。
3Dの映像は立体視と両眼視が深く影響しています。昨年6月にちょっと詳しく書いた記事があるので紹介します。
立体視と両眼視」 http://d.hatena.ne.jp/k-hisari/20090626/1246023052
「3D映画というと昔は赤と青のセルフィルムがついたメガネをかけてみるのがそうだった様に記憶してますが、今のデジタル3D映画は映写機自体がフィルムのものと違い、DLP方式のデジタルプロジェクターを用いて左目・右目のデータを1フレームにつき各3回(合計6回)を投影するとのこと。通常、映画は1秒間24フレームのところデジタル3Dでは1秒間に合計144フレームも投影されるというのです。このときかけるのは円偏光のメガネで、偏光版を回転させながら上映されるのでどんな動きに対しても常に鮮明で驚くほど立体的な映像を楽しむことが出来る、というのです。
定義すると立体視とは「両眼視差のある像を融合することによって生じる相対的奥行き感覚のこと」となります。奥行きのない「遠近感」なら平面の2Dでも感じることができます。例えば下のように平らな紙の上のほうに線が引いてあって、紙の左下にある車と右上の線の近くに車があるとすると、どっちの車のほうが奥にあるように見えるだろう。これが次のように大きさが変わると劇的に印象が変わることになったりします。
この遠近感は片眼でも感じることが出来るけれど、空間認識・空間知覚となる立体視では両眼の機能に差があったり片眼しか作用しなかったりすると感じることが難しくなるんです。
ここで出てきた「両眼視差」とは、見えているものがそれぞれ左右の眼に異なって映っている状態を言います。右目に映るものと左眼に映るものはPD(眼と目の間の距離)があるために厳密に言うと全く同じ形をしていません。例えばデジカメで1度目に映す画像と2度目に映す画像を若干ずらした場合、その2つが重なった時にはその誤差が陰になるように見えますが、それは奥行きのように見えます。眼も同じように、網膜上にそれぞれに映った画像を融合することで空間的な奥行きを感じると言われています。」
3Dは立体視と両眼視が出来たうえで感じることが出来る、とても高度な見え方といえるんですが、それだけに環境がきちんと整わないと目や体に負担がかかると言えます。両眼でものをきちんと感じられるように対象物に対して正面から見るとか、目の状況もたとえば矯正が必要な目でその矯正効果に左右差があるとか(右はちゃんと補正できてるのに左の補正が足りないとか)があると必要以上に疲れたりします。
目の成長も無視できないです。子供の目は生まれてから9年近くかかって機能が完成し、成人するまでに経験としてものの見え方に慣れていきます。立体視機能が完成する5歳くらいまでは3D映像の影響が大きくなるので「大人」はそのことを十分理解し配慮するのが賢明といえそうです。
3Dのガイドラインは今後順次公開されていくそうですが、今公開されているものでも十分参考になります。(専門用語が結構あって読むのが大変ですが〜)
産総研 人に優しい3Dのためのガイドラインとデータベースを公開 http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2010/pr20100419/pr20100419.html
JEITA 3次元映像ガイドライン試案 http://www.jeita.or.jp/japanese/index.cgi http://home.jeita.or.jp/ce/report/3D_GL_Shian.pdf
人に優しい3D普及のための3DC安全ガイドライン 立体視についての詳しい説明があります。必見です。 http://www.3dc.gr.jp/jp/scmt_wg_rep/3dc_guidelineJ_200812.pdf#search='3DC'
3Dの次はホログラムのような眼鏡なしでの立体画像になっていくんでしょうか。まるで映画スターウォーズの世界みたいですが、まず自分のものの見え方がどうなっているのかを知ることから入っていったほうがより安全に楽しめるような気がします。




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