murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

薄型レンズの話

セイコーの視生活応援団からくるメルマガ、第112号の話題が「薄型レンズのしくみ」http://www.kaiteki-eye.jp/modules/weblog/details.php?blog_id=151 で、これが図解説明が入っていてなかなか理解しやすいのでご紹介です。
まず薄型レンズはどうやって出来上がるのかが簡潔に説明してありますが、これはレンズの素材が持つ屈折率が決め手になります。レンズ袋などに書いてある数字で、1.50や1.60というのが屈折率を表示しているのですが、この数字が大きければ大きいほど屈折率は高くなります。屈折率とは光をどれだけ曲げる力を持っているか、という値でメガネレンズの場合外から入ってきた光を集光させるための力となります。
屈折率が高いということは光を集光させる力が大きいということになり、レンズそのものを薄く仕上げても期待通りの集光となるわけですが、屈折率が低いとレンズの厚みも利用して光を曲げなくてはならないため、レンズが厚くなる、ということです。
もうひとつレンズの薄さの大きなポイントは「非球面」であるかどうかということです。このメルマガで紹介されている豆知識のページ(http://www.kaiteki-eye.jp/modules/weblog/details.php?blog_id=151)ではここが図解説明になっているのでぜひ見ていただきたいですね。
非球面というのは文字通り「球面ではない」ということですが、一般的な非球面レンズの場合外面部分が非球面でできていて、これは平らであるということではなくて単一の球面ではなく複数(無数といってもいいかも)の球面で構成されているということになります。ひとつの球面に対してできるひずみを打ち消すように設計していくので全体として揺れやゆがみの少ないレンズになります。
またここ最近では各レンズメーカーが「両面非球面」レンズというのを出してきて、これは外面ばかりでなく内面も非球面設計をしているというものです。これにより、より薄く軽くレンズを作ることができますが、その分付加価値が高いということで価格も高めになっています。またニコンの最上級レンズ「シーマックス」になるとほかのメーカーの両面非球面のはない8軸乱視非球面設計というものを採用しているので、度数が強くなると特に揺れゆがみを感じやすい乱視の補正力がとても優れています。
ただ、どんな度数の人でも薄型レンズがいい、非球面レンズがいいというわけではないんですね。度数の弱めの場合などは薄型レンズにしてもそうでなくてもほとんど厚みの差が出なかったりしますし、非球面レンズは低カーヴ設定のために逆に見えにくく感じる方もいらっしゃいます。(目そのものは球面なので球面レンズのほうがいいという説もあります)レンズそのものの素材は1.60の屈折率のものが一番強度があるので、そういった面も考慮して、レンズ選びはお店のスタッフとよく相談していただきたいと思います。ちなみにウチで一番よく売れてる単焦点のレンズは1.60の球面レンズですー