murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

乱視度数の強いレンズの作製

10年前に右レンズS+2.50DC−6.00Dで作ったメガネの見え方が悪くなったので新しく作りたい、というご相談を受けました。当時はこのS面とC面の度数差が大きいレンズを作れるメーカーが少なくて、結構値段も高かったのですが今回は出来れば価格的にも抑えて欲しいというご要望でした。
まず見え方の悪くなったというのがどこの部分(遠方視であるのか近業時であるのか)かをお聞きすると、手元の作業のときにどうにも焦点が合わなくなったとのこと。年齢は私とたいして変わらない40代半ばですので、その気持ちはすごくよくわかります。
この場合新しく作るメガネの選択肢はいろいろあるのですが、遠近両用レンズをと勧めたいところですが度数的に難しいと思うのですね。また乱視の度数に加わった遠近両用の揺れがどう影響するかも難しいところです。ひとまず10年間経った今の度数変化を確認して、その上でレンズの選択をしましょうとお話しました。
度数は結構変化していて、右のS面が+2.50Dから4段階強い+3.50Dになっていました。これだけ遠視が強くなっていると当然ながらここを変えただけでも手元の見え方がよくなるのですが、両眼視したときに遠方視はいいけど手元がいまひとつはっきりしない、と仰るので加入を0.50D入れてみました。試しに0.75Dを先に足してみましたがこれだと手元はいいけど顔を上げたときのギャップがはげし過ぎるというので一段落としたという手順です。
加入度数を入れて右はS+4.00DC−6.00Dとなりましたが左は結局今までと同じ度数ということになったので、そのおかげもあって顔を上げたときの違和感が少なく出来たのかもしれません。ただし厳密には遠方視用のメガネ度数ではないので、お仕事専用にしていただくことをお勧めしました。
ところで、この度数で出来るだけコストを抑えて、ということで探してみましたが、大手のメーカーさんはなかなか難しいんですね・・・出来るけど値段が高かったり、それこそ乱視の補正効果の高いレンズだと1枚が3万円越えしてしまったりとかなり予算に合わなかったのです。
条件はこの度数で今までと同じ非球面レンズで、ということで当たってみたところアサヒオプチカルさんの1.67の屈折率のレンズが1週間かかるけど出来るということで、そこにお願いすることになりました。価格は上記レンズの1枚分より安くて1組作れます。
あとは収差とかがどう出るか、ですがフレームを出来るだけ小さいものを使っていただいてレンズそのものが小さくできるようにしていけば厚みも収差もそれほど気にならないで作れると思います。