murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

三者三様の遠近両用レンズ

今日は遠近両用メガネをご希望のお客様が3名いらっしゃいました。
朝一で来店された方は70歳代の女性で、畑仕事をしている最中にふとメガネをはずして置いてしまったところ、それを忘れて家に帰ってきてしまい、気がついて戻ったけれどどこを探してもメガネが見つからない、というお話で1週間我慢したけれどメガネがないと何にも見えないからとても疲れる、ということでした。この方は遠視+乱視で、今まではHOYAGPを使ってらっしゃいました。
遠近両用メガネは最近では3年ほど前に作っていただいてましたが、このところものの見え方が悪くなったようでなかなか焦点が合わせられないというお話です。眼科にはいっているのかとお聞きしましたが、見てもらっても特に心配な点はない、老人性のものだろうということだったのでそれからは診察にはいっていないということでした(この点は、できれば継続して診ていただいてたほうがいいと思うんですけどね)調べてみると乱視が進んでいて、しかし完全矯正値を設定しても両眼で0.7がせいぜいでした。オススメしたのは視力をより確実に確保するために遠用メガネと近用メガネを分けることだったんですが、長年遠近両用を使っているのでそれは面倒だということ、では今までよりも出来るだけ遠くと近くの範囲を広く確保できるようにセイコーP−1SYの累進帯12ミリで上下幅の狭い30ミリくらいのフレームに入れることをオススメしました。目線をあまり下げられないことで手元に焦点が合わせられないというのがまず一つ見つかったので、これで少しは解消できるはずです。そうして遠視でらっしゃるので中間部分の変化がなだらかなセイコーのレンズのほうが楽に視点移動できると思ったのでテストレンズで試したところ、リガードとシナジーのどちらかということになったんですがやはりシナジーのほうが緩やかに変化するので使いやすいということだったようです。
お昼過ぎの方は80歳代の男性の方で、白内障術後でそれまでミックスだったのが近視系の乱視に変わった方でした。近視の度数よりも乱視の度数のほうが3倍くらいあって、今回調べてみると乱視の度数がまた進んでいました。現在はセイコーP−1SYを使っていらっしゃいます。
乱視が増えたので当然ながら揺れゆがみが大きくなります。側面の、特に左方向のゆがみが気になるということだったので現在の使用中のP−1SYからはじめてほかにどのレンズを使うと一番見やすいのか試していただきました。シナジーとクラスが同じか上のものということで、HOYAFDとニコンのプレシオパワーを使いましたが、手元の見え方はFDのほうが勝っているんですが、目線の上げ下げ、側方部のゆれ、目を斜めに上げたときの違和感などいろいろ顔を動かしていただいて一番よかったのがプレシオパワーでした。これはピンポイントの見え方ではなくて、トータルでの見え方を重視したための選択となったようです。
もうおひとりは現在ガラスのHOYASTPを使ってらっしゃって、プラスチックレンズのことをお尋ねになった方でした。春先に度数を見直したところ度が強くなっていて、大き目の枠を使っているためにその分重さが出てしまいそれがどうにかならないか、というご相談でした。メガネの重さが軽くなると使いやすいしガラスにはない機能として紫外線カットのはいったレンズがあるんですよ、と先日お話しさせていただいたところ、そのときは考えてくるということだったんですが今までとは全く違った細身のナイロールで作りたいということでプラスチックの遠近両用を作ることになりました。
今までの見え方に慣れていらっしゃるということで、レンズははじめからSTPをご希望でしたが、左右の度数差があるためと思われるんですが(右目の度数が左目よりも−3.00Dほど強い)遠方視がくっきり出ていないと両眼視に違和感が出るんですね。それが他のレンズではなかなか上手くバランスが取れなくて、STPが一番いい、という結論になりました。
どのレンズがどんな風にマッチするのか、これがいいだろうという最初の選択はさせていただきますが、そこで使ってみていただいて返ってきたお返事で次を試していただくことの繰り返しで遠近両用レンズは決めていきます。しかし、いつも感じるんですが遠視のお客様にはセイコーのレンズをオススメすると本当に受けがよくて、こちらが驚くほど喜ばれますね。今日のお客様のメガネの出来上がりは来週の月曜あたりになります。今からお渡しするのが楽しみです。