murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

11ミリタイプの加工設定

今日届いたレンズのお客様のご希望は、「目線を下げなくても作業距離で手元がはっきり見えて、なおかつ遠方視野も確保できること」と、まぁ難しいことは難しかったんですが。
ベースの度数が遠視で1段ほど度が強く必要になっていてその分同じ加入度数でも手元は強くなりますが、それでも今までどおりのレンズ設計では結局目線の位置関係であまり「見やすくなった」と言う印象にはなりません。現在使用中のレンズはHOYAのFDで、累進帯は14ミリ、仕事で火花を見ることが多いので眩しさよけにグレイの35%ハーフ染色を入れてあります。トライアルレンズで加入度数を変えてみたんですが、やはりうまくいきません。揺れが大きく感じると言うことはなかったですが、見たい角度で見れないというのですね。
FDの11ミリタイプのトライアルはなかったのですが、ほかのレンズので試してみたところ角度はこの方がいいというのでレンズタイプはFDの11ミリタイプ、加工設定をセンター1ミリ下げで設定してみました。これで遠方視のラインは今までよりも1ミリ下がり手元の始点は2ミリ上から始まると言うことになるので、作業距離の視野は早い段階から始まるはずです。
実際加工して掛けてみていただくまでレイアウト上でしか確認できなかったことですが、お渡しして角度を見ていただいたところ今までよりも手元の見え方が広くていい、と言っていただけました。でも、横揺れは若干感じるとのことなので慣れるまではやはり時間はかかると思います。
今回お客様にレンズの設計や特性などを説明した上でやらせていただいたことですが、なるほどこうやって遠方視を確保する方法もあるなぁと思いました。
センターの位置設定は手元の広さを確保するために2ミリ(またはもっと)上げで加工する方法などが今まで紹介されてきましたが、新しい設計のレンズが出てきた今、遠近両用のレンズをどうやって使いやすくするか、既存の加工設定にとらわれないで考えていきたいですね。