murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

視力検査のときに見る「視力表」の話

視力検査をするときに、必ず目にする「C」というアルファベットによく似た形があっちこっちに向いている表、視力検査表ですがこの表を使ってなぜ視力がわかるのか、というお話。
この「C」というマークはランドルト環といい、世界共通の視力検査用の記号です。考えたのは19世紀末のフランスの眼科医ランドルト氏、この眼科医の名前をとって「ランドルト環」といわれています。視力は5メートル離れたところから直径が7.5ミリ太さ1.5ミリの環に5分の1の切れ目=1.5ミリの切れ目があるのが確認できたら視力1.0となっています。これは1909年にナポリで開かれた第11回国際眼科学会で国際的に視力検査に用いられることが決まりました。ところでなぜこの大きさなのかというと、5メートル離れたところから1.5ミリの隙間を見るということは視角1/60度(1分)となり、1分の視角を確認できる能力を視力1.0とするためこの大きさになったのです。
また同じ大きさの環を見るのに距離を半分にしないといけない場合は視力も半分の0.5に、1.2倍後ろに下がって見える場合には視力1.2となります。視力表に「C」がたくさんあるのは被験者に立って距離を変えてもらいながら検査するのはなかなか大変なので、ランドルト環の大きさを変えているためです。0.5のランドルト環は1.0の倍に、2.0のものは半分、0.1の視力のためのランドルト環は1.0のものの10倍の大きさがあります。大きさを決めるのには公式があって、直径は「7.5ミリ÷視力」太さと切れ目は「1.5ミリ÷視力」となります。
視力表とランドルト環、被験者の距離の関係は、この公式に当てはまればよいわけなので最近では5メートル視力表ではなく1メートルものもやもっと近い距離のものが造られるようになりました。距離が短くてすめばその分スペースも要らないということになりますが、あまり短い距離で測定する検査機器ではどうも近視の方に有利に働いているように思います。機会があれば、ぜひ5メートル視力表で検眼されることをお勧めします。