murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

メガネの起源

メガネはいつごろからあるのか、というお話です。
レンズで光を集める、という考え方は古くからあって、アッシリアの古代都市ニネヴァというところ(現在のイラク北部)の紀元前700年頃の遺跡から太陽熱を集める目的で作られた「レンズ」が発見されています。この頃のレンズは水晶やしばらく後にはエメラルドなどが使われ、視力を補うものではなかったようです。「メガネ」として使われるようになったのはいろいろ説がありますが、アラビアの数学者アルハーゼンによって視力を補うものとして「メガネ」という考え方が確立され、各地に広まって行きます。また1286年のイギリスの哲学者ロジャー・ベーコンが「文字の拡大」についての文章を残しています。すなわち、水晶やガラスなど、透明な凸状のものでものを透かしてみると文字はずっとよく見える、というものです。またメガネそのものの発明は1280年ごろのイタリアではないかといわれています。これは丸くしたレンズに枠をつけてもち手を取り付けた単玉レンズ、今の虫眼鏡のような形のものでした。
顔にかけられる形のメガネはその後300年ほどの時間を待たないと出てこないようですが、1596年の絵画「ケバラ枢機卿の肖像画」に紐がついているメガネをかけた人の絵が描かれています。このようにメガネを使って文字を見るというのは文字の読める大変なエリート階級の人々だけでした。当時の宗教社会では修道士など教会で仕事をつかさどっている人や王侯貴族以外はものが見えなくなるのは自然の摂理でありそれに逆らうのは神に逆らうも同じ、とメガネは悪魔の道具とまで言われていたそうです(今では想像がつかないですね)
日本へのメガネの伝来は、1549年イエズス会の宣教師フランシスコ・ザビエルがキリスト教を伝えるために鹿児島に降り立った後、周防(現在の山口県)の国主・大内義隆に献上したものがはじめとされています。 「大内文化について」 http://www.city.yamaguchi.lg.jp/oouchi/ouchishi/column/03.html 現存する日本最古のメガネは足利義晴が使ったとされるもので、大徳寺にあるそうです。こちらは中国から渡ってきたもので足利義政から足利義晴へ、後に大徳寺へという流れだそうです。
ところでこのメガネに必ずつきものの「レンズ」ですが、この語源はインド料理やイタリア料理・フランス料理では定番の食材の「レンズ豆」が先なんだそうです。レンズ豆はラテン語で「lens」といい、初期の凸レンズが丸くて扁平なレンズ豆にそっくりだったためにそのまま命名されたのだそう。逆だと思っていましたがなるほどな事実ですね。

ニコン メガネの起源「ケバラ枢機卿の肖像画」http://www.nikon.co.jp/profile/technology/life/eyeglasses/index.htm