murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

遠視の方からのお話

ご主人が白内障の手術をされて、処方箋が出たので遠近両用メガネを作って欲しいと来店されたのにご一緒にいらっしゃって、メガネの話をしているうちに「夜起きてトイレにいくときに眩しくて仕方がないの」と、それをどうしたらいいのかしらと奥様からご相談されました。かけているメガネを拝見すると両眼とも+3.00Dくらいの遠視、これは遠方視にメガネを使わないでいい状況の方(例えばテレビを見るために近視または遠視の視力矯正の必要のない方)で70歳くらいの年齢の人が手元を見るのに必要な手元用メガネと同じくらいの度数なんですが、それをかけてないと普段の生活のときに周りがぼんやりしてしまう、それがこの奥様の遠視という状態で手元用のメガネと度数表示的には同じ訳ですが基本的な目の状態がそれとは違うというものなんですね。
目の中の状態は、望遠鏡が中に入っていると思えばいいと思います。望遠鏡は遠くに焦点を合わせることは得意ですが、それを使って家の中でものを見ようとするとなかなかうまく行くものではないですよね、「どうしてメガネを外すと周りが綺麗に見えないのかしら?」と聞かれたのでそのお話をして、お若いときには周りの方よりも遠くが見えて自慢できたでしょう、と言うと「そうなのよ」とちょっと笑ってくださったんですが、でもだんだん遠くも近くも見えづらくなったのよ、というのはうーん・・・遠視の方はホント目の調節力が旺盛な時分、10代や20代の頃はものの見え方には何の問題もなくて他の人よりも視力がいいわぁと言ってた、と仰るんですよね。実はそのときには目いっぱい調節を使って焦点を手前に引き寄せているんですが、それって例えば一日中腕を水平に上げてなさい、というのと変わらないような筋肉の使い方をしなさいといってるのと同じようなものなんです。ずっと中腰で立ってなさいでもいいんですけど。
やってみるとしばらくは平気で出来るんですが、そのうち疲れてきて同じ状態を維持していられなくなります。腕なら下ろせばいいんですが、目の焦点(ピントあわせ)はそうも行きません。見たいものがあるときには、意識しないで調節力を酷使して見てしまいますから、自分でも知らず知らずのうちに頑張ってみてるんですね。そうしてその頑張る力は全て筋肉の持っている力ですから、年齢が上がるとどうしてもその調節力に衰えが出てきて元々持っている遠視の要因が表面に出てきたから「だんだん遠くも近くも見えづらくなった」ということになる訳です。
若干の白内障が奥様にも認められるという医師の診断が出てるそうですが、まだ手術するほどじゃないし生活視力はあるし、まだ作ってから2年ほどしかたっていないメガネは変形していたのでそれは直しましたが、レンズに傷があるわけじゃない。なのにトイレに起きて水を一口飲もうと台所に行って電気をつけると目を開けていられないほど辛い、「眩しくて仕方がない」と仰るのかなと思って詳しく聞いたら、夜中に起きてトイレに行くときはメガネをかけていないって言うんですね。
うーんうーん・・・・・それだと眩しいですよぉ(あうあう)いくら寝て起きても夜中でも、ご自分の目に変わりはないんですから普段と同じでメガネかけてないと光はめいっぱい目の中にはいってきますから、眩しいんですよ、と説明すると、
「あ、そうか」
とすんなり納得してくださいました(あーよかった)遠視の方の目の中には、光は点ではなく面で入ってきますから、特に暗い中でいきなり部屋の明かりをつけるなんてことするとそりゃ眩しいですよ。どうかメガネをかけてくださいねってお話しすると、枕元にメガネを置いて自分で踏んじゃわないようにしないといけないよねって、うんそう言う心配も増えますよね(汗)出来るだけたんすとか棚とか場所を決めて、踏んづける心配のないところに置いてくださいねってお願いしました。
ご主人は遠近両用のテストレンズを全部で3種類ためしていただいて、近用部のピントあわせが一番楽だったHOYAのサミットプロ160VPコート付きになりました。他にHOYAのFDとセイコーP−1シナジーをためしましたが、やっぱりその方の癖とか見え方の角度とかありますから、遠近両用はテストレンズで試してみないといけないと思います。