murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

強度近視の方の遠近両用メガネ

このところ遠近両用のメガネをとおっしゃるお客様が多いのだけれど、テレビや雑誌でご覧になる機会が増えたからなのか、それとも周りで使っている人が増えてきたからなのか、はたまた最新レンズの情報がしっかり行き渡っているのか、遠近両用は初めてです、という方が増えてきてくださって、それでウチの店を選んでくださるというのはありがたいことだなぁと思っている。
今日お渡しした方は以前からのお得意様だけれど、強度近視(S−7.00Dくらい)で今まではメガネをはずせば手元は見えるから本を読むときに何の不自由もなかったとのことだけれど、手元を見るにも目の中の調節力が衰えてくれば見たい距離に焦点を合わせるということが出来にくくなってくることはありえる話で、この方のご相談も「最近本を読むのがメガネをはずしても思うように行かなくなってきた」というものだった。
調べると加入度数が2.00Dだったのでまだまだ手元の度数は近視が残っているという状態で、はじめての遠近両用でもご自分の目で見るよりも近用加入の入っている場所(差し引きでS−5.00Dの近視ということになる)の方が近くは当然、遠くも見やすいだろうとこちらは思ったんだけれど、使い方説明をしながらフィッティングをしているとそれを聞いて「まぁそうかもしれないけど・・・」と顔を横に振ったり縦に振ったり、いろいろ動かしながら感覚を試していらっしゃって、「やっぱり今までと違うね」と今まで使っていた遠方視専用メガネと比べて感想を教えてくださった。
うーんなるほど、やっぱり遠近両用は違いますよね。
作ったのは前枠にレンズのみ交換で、上下幅が35ミリのブルックスブラザースのフレームにHOYAサミットプロの累進帯14ミリのものを入れたんですが、フレーム自体の大きさがたいして大きくなかったので横の厚みはほとんど感じなくて済んだんですね。また上下幅が大きくないので、目線の上げ下げも難しくはないと思ったんですが、やはり遠くを見たり横に顔を振ったときの違和感はどうしても感じるとのこと。遠近両用の設計やら構造やらをお話して、「レンズ自体の上下関係」はわかってくださったけれどやはり違うんだね、というのを聞きながら立ち姿を見させていただいたら姿勢がすごくいい方なので、どうしても顎が上がるんですね。そうなるとどうしてもレンズの上ではなくて下の方を視線が通る、いわば見下ろす感じで周りを見ることになるので遠くを見るときに使っていただきたいレンズの半分から上を使っていないことになってしまうんですね。
姿勢のいい方はどうしても顎が上がるのでこの方と同じように、離れたところを見るときに一番使いたいところに目線が行かないということが起こりえます。顎をぐっと引いていただくと見えるわけだけれど、長年の身体の慣れをいきなり矯正するのはなかなか難しいですから、メガネ枠の方をぐっと下げて、鼻眼鏡になるくらいの位置で掛けていただくことからはじめる場合があります。これは遠視の方も近視の方もフィッティング自体はあまり変わりはないんですが、そうすることで今度は手元の見え方が変わるというか、一番使いたい度数の場所が下の方に行っちゃうので目を動かすのはやっぱり大きくなりますよね。ある程度慣れていただいて、横や縦のゆれに身体が慣れたらメガネの位置をあげましょうということにはなったんですが、それでも初めてにもかかわらず掛けて帰れたわけなので遠視の方に比べると近視の方の遠近両用は慣れるのが早いのだと思います。
スタッフで今日遠近両用のレンズを入れ替えた人がいたから(加入度数が変わったんですね)慣れるまでどんな感じ?と聞いたら、焦点の合う場所を探すのが今までと違ってるからそれを探すのにイライラする、という返事が返ってきて、そうか、いくら慣れてる人でも度数が変わると違うんだなぁと思いましたね。
うーん、ますます自分の遠近両用メガネを作るのが慎重になりそうです(汗)