murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

ファーストステップ・アイのテクニカルマニュアル

今日メガネ問屋の営業さんが来たので、ニコンレンズ『ファーストステップ・アイ』の事を聞いてみた。6月だったか、ニコンレンズセミナーがあってそのときに参加できればよかったのに、店の都合でいけなかったのでいったいどんなものなのかメーカーサイトや先月この営業さんが来たときに話を聞いていたのだけれど、今日はテクニカルマニュアルを持ってきたというのでそれも参考にじっくりと教えていただいた。
実際のところ、このレンズは以前も書いたかもしれないけれど、ニコンの既存レンズ、プレシオ・アイの15ミリタイプの加入度数1.50Dと全く同じレンズで、今現在ニコンが出しているハイグレードタイプの遠近両用レンズ『プレシオ・ダブル』の元になったレンズとのこと。この『プレシオ・ダブル』は出た当初にこの営業さんが作って実際の装用感を教えてくれたのだけれど、ゴルフの時に結構違和感を感じなくてよかったと言っていましたね。遠方視が利くと言うばかりでなく、視線の水平移動が楽とのことでした。
遠近両用の使いやすさ・慣れやすさは「非点収差」や「度数誤差」をどれだけ抑えられるかによるわけだけれど、これはわかりやすく言うとレンズの側面、鼻側や耳側の部分に本来の度数から変化していく部分が出来上がるため、近用部分へ視線を移す軌道上にまるで山の頂点が目の前に出来上がってくるような、真ん中が盛り上がった感じになって見えるんですね。その盛り上がった感じははじめてかける方は慣れるのが大変で、それを解消するには加入度数を抑える、累進帯を長くする、そうして横方向の視線移動時に揺れない、と、これがクリアできれば一番なんですが、この『ファーストステップ・アイ』はフラットパワーライン設計と言ってこの山の出来上がりがかなり緩やかなんですね。
まぁそれも「1.50D加入固定」ということで実現できる訳で、ある程度年齢も若いうちから使っていただかないとその効果と言うか「この遠近両用を使って見える」という感覚をつかんでいただけないのかもとも思うんです。
これはなぜかと言うと50代後半から60代になると加入度数はいくら少なく見積もっても、またその方の調節力に期待したとしても2.00D以上にはなると思うんですね。で、加入度数2.50D以上だと非点収差が2.00D以上になって揺れを大きく感じるんです。遠近両用レンズの販売数の一つの山が加入度数2.00D、次が2.50Dなんですが、これは接客してても強く感じるけど、必要度数として加入2.50Dのトライアルレンズを入れるとすごく強く揺れてかけられないと言う方に、2.25Dのトライアルを入れるとさほど揺れを大きく感じない、といわれることがあります。また2.50D以上ですでに慣れている方は、加入度数を1段上げてもさほど怖さを感じると言うことがないようです。但しこれは全て個人差がありますから、全ての人にこの話が当てはまるとは思いませんが(事実私が作らせていただいた遠近両用メガネのお客様の中で、初めて作る遠近両用メガネの加入度数が最高だったのが3.00Dで、しかも80歳代の女性の方でした。こちらが驚くほど、あっさり慣れましたよ!ご近所の方で普通に歩いてメンテナンスにきてくださいます)この「2.00Dから2.50D」と言う部分が遠近両用の境界線のようですね。
となると、『ファーストステップ・アイ』の加入度数はこの年代の方には弱すぎる、ということになります。やっぱり40代後半の手元が見えづらくなり始めたところの「遠近両用初心者ゾーン」向けということになるんでしょうね。考えてみると私のばっちりそのゾーンに入るわけで、遠近両用はまだ使うほどじゃないと思うしでも見づらい部分は出てきたし、最近携帯電話を見る時にちょっと離すようになったし今まで見てた距離で思うように焦点が合わなくなってきた、と言う世代にはいいのかもよ。
そこで、なんたって自分も試して見たいものだから盛大にプッシュしてトライアルレンズキットを購入することになりました!!!やった(喜)いやー、ウチの店は遠近両用に関してはHOYA&セイコーレンズで押してるので、ニコンレンズはほとんど扱ってなかったんでね、いいレンズがあるって知ったらやっぱりどんなもんか使ってみて試した結果を皆さんにお伝えしたいじゃないですか。リラクシーはなんかまだ時代的に早かったのかと思う部分はあったけど、これは今いいと思いますよ。価格もお手ごろだし!
近いうちに実装用報告させていただきます。