murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

左だけ聞こえない、と言うご相談でした

今日補聴器の相談でいらっしゃった男性のお客様は、右と左の聞こえが極端に違う状態の方でした。
年齢は77歳、40歳代の時に突然両耳が聞こえなくなって耳鼻科にいって薬を貰ったらすぐに治ったと言うんですが、その当時の状況はご本人も奥様も詳しく覚えていらっしゃらなくて(それは当然だと思います、私もさすがに30年前のことは思い出せません)原因はわからなかったけれどそのときから徐々に聞こえが悪くなってきたようには思う、と言うお話でした。聞こえの悪さに関してはその後耳鼻科にかかることはしなかったそうですが、それは耳が聞こえづらくなってきて先生や看護師さんの話を上手く聞くことが出来なくなって、意志の疎通が出来にくくなってきた為に病院に行くのが面倒になったから、と仰います。それにだんだんと聞こえが悪くなっていったためにご本人にするとそれほど切羽詰っていなかったと言うか、大きな声で喋れば家族内ではなんとか通じていたので、それで済ませていた、というんですね。
でも数年前から左が聞こえなくなって(ここもご本人は1〜2年前と仰いますが、奥様は10年位前からと仰います。それだけ、ご本人と周りの感覚に差があるということですね)、今では左は全く音を感じないのでそれが何とかならないか、と言うのがご相談内容でした。そこも、何故今まで聞こえづらいと感じていたのをそのままにしていたんですか、とお聞きしたところ、お友達の中にも補聴器を使っている方が何人かいるのだけれど、使い方がうまくいかないとかうるさくて仕方がないとか、あまりいいことを聞かないので補聴器を使う気にならなかったというんですね。でも車で移動中、奥様が助手席から話しかけても左側が聞こえないから、さっぱり楽しくなかった(ご旅行にでも行ってらっしゃったんでしょうか、そこは詳しく聞きませんでしたが)と奥様が不満に思ったことでようやく相談してみようか、と言うことになったそうです。
聴力を調べるのは社長が行いましたが、右も年齢からすると若干落ち気味な状態だそうですが、左は測定器に全く反応しなくてわずかに骨導での聞こえに対して反応が出たくらいでした。この状態では、普通の軽度から中度までの難聴に対応している機種では全く追いつけません。昔のアナログ式補聴器で音を大きく入れてもただうるさいだけで「音を聞き分ける」のではなく「音が出ている」と感じるだけになってしまいますし、シエロライフあたりでも力が足りなくて音が出ているのかどうかすらわからない、と言う感じでした。
そこで使ったのが「シエロ2アクティブでイヤーモールドを使用する」と言う方法でした。このイヤーモールドは以前他のお客様用に型を取ってから作ったものですが、事情があって店の在庫になっていたもので、耳穴の大きさによっては全くはいらないこともあるんですが、偶然にも空気漏れが起きない程度に装用することが出来たのでそれで試してみました。
パソコンで調整状況を見ていても、音が最大に入っているのがわかりますがそれでやっと「人の声が聞き分けられる」ようになってきました。でも、そうなってくると表情が全然違ってくるのです。どの程度聞き取れているのか、それを確認するために右耳を耳の型取り用の素材で塞いでみると、左だけで聞いているのに何をしゃべっているのかがわかって、そこから顔に明るさが出てきました。それまで長い間左では聞いていなかった所為か、はじめはゆっくりと喋る社長の声(男性の声と女性の声ではこの場合男性の声の方が聞き分けやすいと言うのもありますし、総じて高齢者の場合女性の声は聞き分けにくいことが多いです)を聞き取ることからやっていって、耳が慣れてきてから両方の耳で会話をしていってみました。
奥様はずっと左側に座っていたのですが、話しかけると顔を向けて受け答えするようになっているのがわかります。ご自分でも、左の聞こえがある程度わかってきたのか「今までとは全然違う」といって補聴器を使って聞くということに積極的になってきました。そうなんです、自分で聞きたいと思わないと、これはうまくいかないんです。
しばらくいろんな話をして、話しかける方向も変えていって補聴器での聞こえがどんなものか店で試していただいてから、今度はお家でも試してみてくださいと言う話になりました。こちらもはじめの状態ではどの程度の効果があるのかわかりませんでしたが、両方で聞くと言うことにご自分から積極的になれたのですから1週間ほどデモ機をお貸出して生活する場面で使っていくことが出来るかどうか、これはやってみないとわかりませんから使い勝手の練習をしていただいて耳にはめたままお帰りいただくことになりました。
補聴器は、実はこれが一番大事だと思うんです。使えるかどうかは、ご自分の実際の生活の中でやってみないとわかりません。店で調整している時は使えても、自宅に戻るとさまざまな音がうるさくてはめていられないと言うことになったら買っていただいても何の足しにもならないんです。試していただいてる間にどこが使いづらかったか、どうしたらよく聞こえるようになるか、何度でも調整していくことが出来ないとちゃんとしたものを売ることは出来ないと思います。
最近発売になった「Pure」も試していただければと、早速注文を出しました。値段は高いですが、聞こえが良くなるとわかっているものはぜひとも試していただきたいですもんね。


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