murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

子供の遠視

遠視を調べていく上で、大人とは違った注意が必要なのが「子供の遠視」です。この場合、きちんと眼科で調べてもらった上で必要なメガネを処方してもらって掛ける必要があります。

子供の遠視の原因の多くが目の成長がまだ途中だということにあります。眼軸が短いために焦点が網膜より後ろとなり、遠視になります。眼軸は成長により変化しますので赤ちゃんから小さい年齢のうちは遠視であるのが普通で、6歳くらいで大人と同じくらいにやっと出来上がります。なので子供の遠視は心配はすくないのですが、どの程度の遠視であるのかを注意してみていないと弱視や斜視の原因になることがあります。
成長するに従い遠視から近視へと変化していって、ちょうどいいところで止まるとメガネが要らない正視になり、眼軸が長くなりすぎると近視になり、眼軸が伸びなくて短いと遠視となりますが、水晶体の屈折力が追いつかないくらいの遠視である場合には専門医に早めに診てもらって矯正することが必要です。それはなぜかというと、遠視があって網膜で像が結ばず、きちんと見えるという刺激がないと見る機能(視神経)の発達が進まずに見えにくい状態が当たり前(弱視)となってしまうからです。
また遠視があるとものを見るために「調節力」を使って物をちゃんと見ようとします。この調節力については13日か14日の日記に詳しく書いてありますが、元来、調節力は近くを見るときに使うものなんですが遠視の人はある一定の離れた距離(たとえばそれが20メートル先でも)を見るときにもこれを使います。この調節力は目を内側に向ける働き(輻輳眼球運動)と密接に関係していて、調節力を使うと目は内側に向こうとするんですね。これはどんなところでわかるかというと、大人では遠近両用のメガネを作るときに鏡の反射を使って手元を見たときにどこを目が通るかって言うのを測定したことがあると思うんですが、そのときに使うアイポイントシールは手元の部分が遠くを見るためのポイントよりも2.5ミリINであることが一般的なんです。すなわち手元を見るときは目が内側に寄る、ということを示しています。まだ老眼ではない年齢の場合、調節力を使うとそれがたとえ遠くを見る場合でも目が内側に寄ります。これは調節性内斜視と呼ばれています。また、この調節と輻輳が片方だけうまくいかなかったりすると、片方だけ内斜視になったりもします。どのケースであっても、内斜視があると両眼で物を見るという働きがうまくいきませんし、そうなると立体視や動体視力にも影響します。これが、6歳くらいまでの間に見つけることが出来れば、そうして適切な治療を受けられればかなり効果的な結果が得られますし、それ以降であってもものの見え方のピークといわれる中学生くらいまでの間に見つけることが出来れば、負担のない快適な視生活をおくることが出来ます。まぁそのころまでに見つからない遠視はごくごく弱い度数であることが考えられますから、自分の調節力で常にカバーしてしまっていることが考えられます。
ウチの店のお客様の中にも、今は3人のお子さんが遠視で眼科で定期的に診察してもらいながら半年にいっぺん位の割合でレンズを交換しています。一人は幼稚園のときから掛けていて今は中学生、最近は小型ゲームに熱中して環境的な要因から近視になる可能性の高い状況だったせいか、遠視の度数がぐんぐん弱くなっていてもしかしたら近視になっちゃうんじゃないかっていう心配をするほどになりました。
もう一人は今年確か小学校3年生で、やはり幼稚園のときからメガネをかけています。新潟大学の付属病院で定期的に診てもらっていて、はじめはメガネを嫌がって壊してばかりいました。いまでは自分で洗浄したりと手入れもしっかり出来るようになってます。
もう一人は小学校の低学年から掛けている男の子で、最初は+7.00Dくらい必要でした。この度数だと分厚いので、おじいちゃんが超高屈折のレンズを使えといって結構値の張るメガネをはじめから掛けていました。今では半分以下の+3.00Dほどになって、野球をやっているのでそろそろコンタクトレンズと併用しようか、という話になっています。
子供にメガネを掛けさせる、と考えると結構嫌がる人が昔はいました。今ではこうして私がこんな話を書いていたりするのを読んでくれる人がいたり、もっとたくさんの情報がネットで調べると出てきたり乳幼児定期健診でもきちんとした指導をしてくれるおかげで正しい知識を持ってくれる人が増えてきたため、「子供の将来に必要だ」ということを理解してくださるお父さんやお母さん、おじいちゃんおばあちゃんが増えてきました。きちんとした刺激を与えて、正しい両眼視機能を子供が持つことが出来るようになるのは親の責任だと思います。お金もかかるしホント大変ですが、子供のものの見方がなんかおかしいな、と思ったら眼科に行ってみることをお勧めします。



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