murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

シニアレンズの選び方ポイント 3

今回は「度数の選び方とレンズの選び方」です。本来はフレームを選ぶ前に度数は決まってると思うのですが、使用目的によりシニアレンズのタイプを選択するのとあわせて書いていこうと思います。

度数とレンズの関係
使用目的により、度数の調べ方もレンズの選び方も違ってきます。まずは基本データとして遠方視力の必要度数を割り出しておきます。ここのデータが正確でないとあとのデータが全部狂ってくるので、遠視であるか近視であるか、それにプラスして乱視がいるのかどうか、軸度の設定もしっかりやります。完全矯正値を確認した後には利き目を調べ、両眼視での視力を確認して次に装用値を確認します。眼科では視力を出すことが目的になることが多いと思うのですが、使いやすいメガネを作る場合には「掛けていやすい度数」であることも一つのポイントです。視力が出ていても強すぎて掛けていられないとなるとメガネを作るためのデータとしては成り立ちません。
装用値が出た後、近点作業距離を確認して加入度数を設定します。このときに必要なのは、
・現使用メガネからの度数アップ率
・遠方視力値と近方視力値
・遠方視と近方視での眼位
・使用目的とその正しい距離
です。単焦点レンズ(手元専用)の場合には加入度数が若干強めでも問題ないときはありますが、累進レンズの場合には座った姿勢と立ち上がった姿勢では装用感に違いが出る可能性があるので綿密な確認と、強すぎる加入度数には注意が必要です。
いずれにしろ、眼科での検査をすすめる必要があるとわかったときには眼科医に相談することを勧めます。

目的によるレンズ選択
度数の設定が終わったら、レンズの選択をします。シニアレンズは大きく分けると4つあります。
・遠近両用(累進レンズ):遠くも近くも中間もバランスよく見たい方
ショッピング・旅行・ドライブ・日常生活全般
・中近(室内用):主に手元と室内(2〜3メートル先まで)を見たい方
料理・食事・洗濯・テレビ・会議など
・近近(パソコン用):モニター画面や手元を主に見たい方
パソコン・読書など
単焦点(手元専用):決まった距離の手元をはっきりさせたい方
30センチ・40センチといった近業距離が決まっている場合や高齢者の手元用
このほかBF(バイフォーカル:二重焦点レンズ)がありますが、最近では多くは使われていません。

遠近両用レンズの選び方
累進レンズを選んだ場合には、各メーカーの設計の違いによって装用感が違ったり、累進帯長の違いで揺れ・ゆがみの出方が違ったりするので必ずテストレンズによる「装用テスト」を実行します。また、遠視であるか近視であるか、現使用レンズの累進帯長がいくつであるか、加入度数がいくつであるかによっても選び方が違ってきます。以下は代表的な選び方を記載しますが、最近のレンズの設計のよさでカバーできる部分もあり、全ての人に当てはまるものではありません。
・近視系:遠方視重視のため累進帯の長いものがお勧め
・遠視系:近用視重視のため累進帯の短いものがお勧め
・加入度数の強い方:中間視野確保のため累進帯の長いものがお勧め
・加入度数の弱い方:近用部の広めな累進帯の短いものがお勧め
・現使用レンズが累進レンズの方:基本的には同じ累進帯長のものをお勧め
・累進レンズがはじめての方:揺れゆがみになれるため累進帯の長いものがお勧め
※現在販売中の遠近両用レンズでは、累進帯長が最長で16ミリ、最短で10ミリですが販売している中で一番多いのは14ミリ、次いで11ミリかと思います。
経験上ですが、遠視の方にはセイコーP−1シナジーが、近視の方にはHOYAFDが、はじめての方にはHOYAFDもしくはニコンプレシオパワーが、価格的にはセイコーP−1ウイングが一番気に入っていただいてます。
最新のレンズは各社「両面非球面」が売りになっていますが、今まで使用していたレンズが「球面タイプ」に近い設計の場合、それと同じデータで最新レンズを使用すると遠方視が見えづらいというクレームになる場合があります。これは球面レンズと非球面レンズの見え方の違いと同じ現象と考えられますので、2本目3本目のレンズの選び方では注意したいところです。

選び方のポイント 3「度数とレンズ」
・基本である遠用データは正しく割り出し尚且つ使いやすいものであること
・使用目的をはっきりさせ、近業距離は正確に測ること
・レンズは必ずテスト装用をし、違和感がないかどうかを確認すること

将来的に遠近両用レンズを使いたいと思うのでしたら、理想は早い段階(40歳代)で弱い加入度数から使っていくことをお勧めします。実際自分でかけてみて、加入0.75Dは問題なく掛けられる度数だと思います。またこのほかに調節力を支援する度数の入っているレンズ(ニコンのリラクシー・HOYAのリマークなど)も弱い加入の遠近両用レンズと考えられますので、そういったレンズから使っていくのもいい方法だと思います。

シニアレンズの選び方ポイントは以上で終わりです。



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