murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

ぶどう膜炎という病気

昨年の半ばから、目の病気についての話をお客様からお聞きすることが本当に増えたように思います。今までは白内障で通院中または今後手術をするといった話や術後のメガネの相談が多く、次いで緑内障、糖尿病から来る白内障の話といったところでしたが、網膜の病気でレーザー治療をした方や網膜の黄斑部が変形し見え方が変わった方など、網膜の病気をされて眼科に通っているという方の話を聞くのがみるみる増えました。
今日来店されたのは昨年の9月から「ぶどう膜炎」で長岡の赤十字病院に通院している方で、治療の山場は越えたとのことで処方箋が出て、メガネを作りにきてくださいました。
はじめは、目の病気だとは気がつかなかったそうで、最初におかしいなと思ったのは皮膚の色が変わってきたことで、若い時分から外に出ているのが好きだったことから紫外線による日焼け・肌荒れだと思っていたそうですが、だんだんと飛蚊症から目の周りのキラキラチラチラとした眩しさが多くなってきて、これはおかしいということでようやく市内の眼科に診てもらったところ、「紹介状を書くからすぐに赤十字病院に行って診察してもらってください」といわれたんだそうです。そのときはまだ自分がそれほど怖い病気にかかっているとは思わなかったそうですが、眼科で説明を受け、一番のピーク時には1日6回のステロイド剤の点眼薬を使うことになってなんと恐ろしい病気になったのか、と気がついたんだそうです。しかし、調べても原因がなんなのかはわからなかったそうで、一般的には免疫過敏反応や、細菌・ウイルス・カビなどによる感染とも言われますが多くは原因不明とのこと。このお客様は自分では「紫外線の当たりすぎ」ではないかとおっしゃってました。
ぶどう膜炎とは「虹彩・毛様体・脈絡膜」からなるぶどう膜の一部または全域で起こる炎症のことで、虹彩とは黒目の周りに見える茶色い部分ですし毛様体とは水晶体を管理するとても大切な器官です。脈絡膜とは眼球全体を覆う膜のことで、この全体の色がぶどうの房の色と同じような色をしているのでこの名前がついています。炎症が起きている場所、その程度、症状により治療法は異なるそうですが、今日来店された方はぶどう膜炎を患っている左目の網膜の一番後ろ、視神経の近くで炎症が起きたために黄斑変性と同じように見え方に異常が出て、左目のみでものを見たときには特に縦のもの(柱とか)は真ん中がゆがんで見えているそうですが、ガードレールなど横のものはだいぶ普通に見えるようになってきたとのことでした。ステロイド剤の点眼薬ということで副作用を心配した時期もあったそうですが、レーザー治療をしてからは1日2回に回数が減ったので眼科の先生の言うとおりに続けているそうです。いろんな目の病気でこの「点眼薬」のことを聞きますが、目の病気自体元々痛いとかいきなり何らかの変化があったとかという具体的な症状がないものなので(というか、目の病気で痛いとか明らかに変化があったときはもう手遅れの場合が多いです)、どこまで良くなっているのか自分での判断が難しいので途中でやめてしまうという方が多いようなんですが(ウチのお客様でも結構聞きます)勝手な自己判断は余計状況を悪くすることがありますから注意したいところです。またぶどう膜は網膜とぴったりとくっついているものですから炎症が直接網膜に影響することがあったり、ぶどう膜自体に血管が多いのでその血管を通して炎症の原因が身体のほかの器官に転移したりまたその反対に全身のどこかの器官の炎症がぶどう膜炎を引き起こすということも考えられるそうで、考えてみると本当に怖い病気なんですね。
症状の出ている左目に乱視がはいるので、その乱視によってゆがんで見えるのが若干でも改善できるのか、と聞かれましたが、それはなかなか難しいと思います、とお答えしました。この方のように視神経の近くで炎症が起こったことによって網膜に変性が起きた場合、状態としては映画のスクリーンの一部が盛り上がっているようなものだと思うと分かりが早いと思います。映画のスクリーンは平らだから映像が綺麗に映るんですが、盛り上がってる・ゆがんでるとそこだけ曲がったりたわんだりして見えてしまいますよね。それと同じ状態が目の中で起こっているのです。
網膜やその他目の器官で病状が出ている方には必ずお話しているのが「重たい荷物は持たないでください」「ビニールでできているお菓子の袋は素手で開けようとしないでください」というこの2点。目には思っているよりもたくさんの血管がありますし、病気の種類によっては新生血管といって細くてもろい血管ができていることもあります。そこに「ぐっ」と力が入ると血管が切れることも考えられるんです。メガネのご注文をいただいたときに、また外で畑仕事ができるように紫外線よけが効果的な大き目のメガネを、と希望されたんですが、外仕事もいいですけど力仕事はしないで紫外線には十分注意して帽子をかぶっててくださいね、とお話しました。

参考HP
日本眼科学会 目の病気 ぶどう膜炎 http://www.nichigan.or.jp/public/disease/budo_enmaku.jsp
目と健康シリーズ ぶどう膜炎 http://www.skk-health.net/me/19/index.html





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