murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

「初めての遠近両用」の方にメガネをお渡しする

はじめて遠近両用メガネを作ろうとする方の理由はいろいろありますが、今日お渡しした方はお二人とも「掛けはずしが面倒」だから、と言うものでした。
お一人は、普段メガネはテレビを見るときに見にくいから掛けるけれど本当なら掛けたくないと言う方で、テレビを見ながら新聞を見るときに遠用と近用をいちいち掛けかえるのがとてもとても面倒で仕方がない、と仰います。まー、そりゃそーですよね。そこで眼科に行ったところ白内障の予備軍だとわかってこれ以上進まないように目薬が出たとのことで、実際にお持ちになった処方箋でも遠方視力は0.7、この先の状況次第では手術もありとのことですが手術なんてしたくないしメガネで問題なければこれでいいわ、と言うのですが、まぁ白内障が進んでしまうとその見え方に対してメガネの度数で補えるものではないので、そこはきちんとお話しました。
もうお一人はS−2.50Dくらいの近視のある方で、普段は遠用メガネをかけっぱなしだけれど長年ひょいっとメガネをおでこに上げて近くを見るというのがわずらわしくて仕方がなかった、というのが遠近両用メガネに踏み切った一番の理由で、でも「本当に使えるのかどうか心配」ということで実際に見え方の確認に入る前に1時間、出来上がりのお渡しの時には30分、「遠近両用レンズとは」というところから説明させていただきました。レンズの設計自体の細かい説明は省きますが(設計から話してもわかんないだろう、とは思いませんが、設計の中で必要なのは遠用ポイントと近用ポイントの位置がどこにあるかということなので、それさえ理解していただければ十分だと思います)遠近両用のレンズの「遠く用」と「近く用」の場所とその周辺部の関係さえ頭に入れておいて貰えれば、いつまでたっても「この場所で近くを見たいのに見えない」とメガネの上のほうで見ようとしているなんて無駄なことはしないで済むと思います。
まずはその遠用ポイントと近用ポイントの場所
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3つ並んでいる紅い点がレンズの水平ライン。このメガネの場合、レンズの縦幅の中心線と同じ位置に水平ラインがあります。真ん中の上にあるのが遠用ポイント、若干内側に入っている下の点が近用ポイント。手元を見るときには眼は内寄せになりますから、近用ポイントは必ず内側に入ってきます。
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HOYAエアリスト600番。この形は女性に人気のある玉型です。
初めて遠近両用を作っていただいた場合には、このようにレンズの主要部分の位置関係にインクで点を打って客観的に見ていただいてから顔にかけてもらってます。この都菌アイポイントシールを使って視線の動線を確認する方法がありますが、それをやるとシールが貼ってある部分が見えにくいといわれるので、点を打っていく方法だと視界もさほどさえぎらないのでこっちでやるのがほとんどですね。こうやって見ると目線を結構下げないと近くを見る場所まで行き当たらないように思いますが、顔にかけてみるとレンズが近寄るので実際には20〜25度くらいの視線の下げで焦点が合うようになります。
目安となるものが何にもない状態でいくらお話しても理解していただくのは難しいんですが、最初に位置関係をわかってもらってから掛けてもらうと、自分でどうすれば見えるのかって言うのを「見て」確認しているので理解が早いんですね。この方法だと手元の見え方に関しては慣れるのも早いようです。
ただし周辺部の揺れゆがみはいくらいいレンズを使っても最初は「全然感じない」と言う人は少ないですから、横目を使ったり立って歩いたりすると揺れますよ、と注意させてもらってます。また慣れるのには早くて2週間はかかる、とお話しています。なんたって2つ分の役割を入れ込んだメガネですから、とても高度な機能を持っているんだということを理解していただいて使いこなしていくのにも時間がかかるということを最初にわかっていただく、これが大事だと思います。
でも、今日お渡ししたお二人は「もう慣れたわ」といって帰るときにはかけて帰ったんですよねぇ・・・・・うーん、大丈夫だったかしら?




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