murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

「低い声は聞こえる」と言う話

今日は自宅のある地区の推進委員会の会合に出たんですが、そこでウチの店で長年補聴器を使っていただいている方の家のお嫁さんとご一緒したんです。そこで、ちょっと聞きたいことが、と会合自体が終わった後に聞かれたのが、補聴器を使っている方が自分(お嫁さん)の普段の話し声は聞こえたり聞こえなかったりするのに、離れた部屋で子供達と会話してる声は聞こえるようで時々その内容を聞かれたりして本当はしっかり聞こえるんじゃないかと驚くことがあるのはどうしてだろう、と言うものでした。今朝は補聴器の調整にいくと言って出かけたけれど、調整をすると聞こえ方がずいぶん変わるのかとか手術をすれば耳の聞こえも治るのかとか、そうも聞かれましたが、手術の話に関してはなかなか難しいものがあると思うんです。
15日の記事「耳と目の不思議音韻修復効果」http://d.hatena.ne.jp/k-hisari/20090315 でも書かせていただきましたが、耳の聞こえはまず鼓膜の後ろにある「蝸牛」というカタツムリのぐるぐるのような形のところにある「外有毛細胞」という感覚細胞が音を感知して、その音の大きさや長さを細胞自体が伸び縮みして電気信号に変えて聴神経に伝えることで「聞こえる」になるんですが、この外有毛細胞というのが短い毛から順番に奥に向かって長くなっていくんですね。高い音を感知するのは短い毛で、低い音を感知するのは長い毛なんです。長年音による刺激を受けたり、大きな音を間近で聞いたり、絶えず音を聞いたりしている環境が続くと、蝸牛の入り口近くにあるこの高い音に反応する細胞は低い音に反応する細胞よりも早く磨り減っていくんですね。またこの細胞は一旦磨り減っていくと新しく再生することはありません。なのでたとえば老人性の難聴でこの細胞の減少で起きている聞こえにくさだとしたら、手術で耳の聞こえがよくなると言うのは難しいと思います。今の医療技術はすごく進んでいますから何らかの手段があるかもしれないけれど、この細胞が再生できるようになればずいぶん違ってくると思います。うーん、世の中にはこういったことを研究している方がきっといるんだろうなぁ・・・
ところで、最初に聞かれた「低い声は聞こえる」というのは、蝸牛の奥のほうにある長い外有毛細胞が低い音に反応するからで、ぐるぐるの奥のほうにある細胞なわけだからなかなか磨り減らないわけなんですね。
低い音は波長も長いわけだから、奥のほうに到達しやすいと言うのもあります。何も地獄耳ってわけじゃないんだよーってお話しました。以前はあまり補聴器を使いたがらなかった方なんですが、お嫁さんの話から最近はちゃんと使ってると言うことで、そうやって使い始めてからは聞こえにも興味を持って、ご家族にもいろいろお話しするそうです。生活の中で重宝に使ってもらえればありがたいです。




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