murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

新素材チタン、とってもしなやかなかけ心地でした!

シャルマンという、メガネ生産では日本一の福井県にある会社が、金属研究では世界的権威である東北大学の金属材料研究所と日本素材株式会社とともに8年にわたる共同開発の結果、「エクセレンスチタン」と言うとっても軽くて丈夫な新しいチタン素材を開発して、それで作ったメガネを見せていただきました。

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これは試作品だったものが本採用になったという女性枠ですが、このツーポイントフレームのほか形はフルリムナイロールと全部で4種類あって、すべてのテンプル部分にこの新素材が使われています。5本のラインになっている部分はチタンの特性と形状記憶合金の復元性の両方を兼ね備えたというだけあってとってもしなやかで、丸いボール状に見える部分でのみ接合していて、3本と2本は織り合わさる、重なり合うような感じで互いに独立しています。なので通常の方向とは逆の方向に曲げても30度くらいまでは自然な感じでしなっていくという、なんとも優美な感じがする形状です。
この接合技術と言うのも新しい技術なんだそうで、福井県産業支援センターの協力のもと、大阪大学接合科学研究所との5年の共同研究によって実用化されたレーザー接合技術なのだそうです。
なんだかすごい技術の結晶って感じですが、メガネそのものは本当に軽くてかけ心地がよく、テンプルの部分は何にもないような印象さえありました。
そこまで技術がギュウゥゥッとつまったものだとさぞお高いんだろうな、と思ったんですが、わりとお手頃な47,000円(税抜き)ということで、話を聞いたところやっぱりこれは使っていただいてなんぼなわけで、手が届かない価格帯では意味がないんだそうです。なるほど。それと、今現在のフレーム業界の状況は海外製品に圧されてきているとのことで、日本でしか出来ない、シャルマンでしか出来ないと駆出した商品を開発していくことで差別化を図るという狙いもあるようです。レンズで言うとニコンさんが同じように「日本製品」「MADE IN JAPAN」を前面に押し出していくと言う話を先日お聞きしましたが、やはりこういった高い技術がないと出来ないものを見せていただくと日本製っていいなぁと思いますね。
これは女性用のフレームですが、今後男性用でヨロイの部分にバネ丁番の代わりのような位置づけでこの素材を使った商品(2万円台後半)や、ビジネスラインの商品(3万円台半ば)も発表していくのだそう。今はすでにIOFTでの予約販売分で一杯なんだそうで、ウチがお願いしても夏ごろになるかなと言うところです。うーん、社長、これ仕入れして欲しいです!(笑)
手にしてみて心配かなと思ったのはライン1本ずつの変形が起こったらどうなるのかと言うことだったんですが、よほどの力が加わらない限り、ということは普通に使っていれば全くといっていいほど変形は起こらない、と営業さん言い切りましたから、期待していいと思います。
自分がかけるにはちょっと早いかな(・・・わはは、まだ40代だし。ターゲット年齢は50歳代から上と言ったところでしょうか)と思うんだけど、このかけ心地は捨てがたいです。でも一つ、せっかくの軽さなのでレンズは薄型のプラスチックじゃないと前後の重量バランスが取れないかもです。度の強めの方は1.67以上の屈折率がオススメかも。ガラスは前ばっかり重たくなるのでよしたほうが良さそうです。