murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

立体視と両眼視

セイコーオプチカルが販売店向けに配信しているメルマガ「SEIKOネットクラブ」でスキルアップを目的としたコラムの掲載を始めたというので早速読んでみました。日本眼鏡技術者協会選任講師の方に毎月テーマを決めてしていただく「誌上講義」みたいな感じです(・・・ネットだからWEB講義か)今月は「3D映画と眼鏡店」の1と言うテーマで、立体視深視力・三桿計などの話がありました。
内容は、さすがスキルアップとあるだけあって、わかって読める人にはわかりやすいものだと思います。私自身、店では深視力の検査はしませんし、両眼視検査もオートな検眼器を使っているので厳密に言うとフルモードで行っているとはいえません。掛け枠テストになった段階で必ずバランステストをしているので両眼視での見え方の問題はそこで少なからず解決できると思っていますが、改めて両眼視と立体視の話を読んで「勉強になるなぁ」と思いました。<でも片手で両眼視機能検査についての眼鏡学校のテキストを持っての読みでしたからねぇ・・・ガンバリマス
3D映画というと昔は赤と青のセルフィルムがついたメガネをかけてみるのがそうだった様に記憶してますが、今のデジタル3D映画は映写機自体がフィルムのものと違い、DLP方式のデジタルプロジェクターを用いて左目・右目のデータを1フレームにつき各3回(合計6回)を投影するとのこと。通常、映画は1秒間24フレームのところデジタル3Dでは1秒間に合計144フレームも投影されるというのです。このときかけるのは円偏光のメガネで、偏光版を回転させながら上映されるのでどんな動きに対しても常に鮮明で驚くほど立体的な映像を楽しむことが出来る、というのです。
そのほか3Dというと、最近は携帯電話でも3D携帯なんていって像が浮き上がるものが発売になってました。実際に店頭で見た限りではなかなか焦点が合わせられなくて困ったのを覚えてますが(娘はかろうじて動いてる感じがわかったといってました・・・これも年齢が関係するんでしょうか???)、ものが浮かび上がって見える、ということは「立体視」出来ているということになります。奥行きがあるように感じる(感じるというか、見えるというか)ということですね。
定義すると立体視とは「両眼視差のある像を融合することによって生じる相対的奥行き感覚のこと」となります。奥行きのない「遠近感」なら平面の2Dでも感じることができます。例えば下のように平らな紙の上のほうに線が引いてあって、紙の左下にある車と右上の線の近くに車があるとすると、どっちの車のほうが奥にあるように見えるだろう。これが次のように大きさが変わると劇的に印象が変わることになったりします。


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この遠近感は片眼でも感じることが出来るけれど、空間認識・空間知覚となる立体視では両眼の機能に差があったり片眼しか作用しなかったりすると感じることが難しくなるんです。
ここで出てきた「両眼視差」とは、見えているものがそれぞれ左右の眼に異なって映っている状態を言います。右目に映るものと左眼に映るものはPD(眼と目の間の距離)があるために厳密に言うと全く同じ形をしていません。例えばデジカメで1度目に映す画像と2度目に映す画像を若干ずらした場合、その2つが重なった時にはその誤差が陰になるように見えますが、それは奥行きのように見えます。眼も同じように、網膜上にそれぞれに映った画像を融合することで空間的な奥行きを感じると言われています。
左右ふたつの目を使って物が一つに見える、と言うのは実に複雑な眼の働きが成せることです。ふたつの目がそのものを見る方向に同じく動かなくてはいけませんし、それを融合させることが出来なくてはいけません。目が左右反対方向にぐるぐる回るなんていうことはありえないし、目はそのように出来上がっていないと言うことです。見るものの方向にちゃんと同じ向きに動くように、筋肉も神経も、きっちり働いているということです。
普段何気なく見ている景色ですが、すべてが奥行きのある、立体画像で見えていることと思います。それってこうして一つ一つを分解して考えていくと、なんとも不思議な、そして精巧な目と言う器官の働きから成り立っているんだなぁと感心してしまいます。



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