murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

網膜動脈閉塞症という病気

今朝、ご主人の目のことで相談があるといって70歳代のご夫婦が来店されました。以前からウチの店をお使いいただいている方ですが、2年前に「網膜動脈閉塞症」と言う病気が左目に発症して大学病院での治療後、ずっと隣の市の大きな病院にかかっていたけれど状態が安定したということでその治療自体は終わっだのだそうですが、それからどうも見え方が心配で毎日気になって仕方がないのだそうです。
お話を聞いていくと、ご希望である「メガネで何とかならないか」はなかなか難しいことがわかりました。2年前のその目がおかしいなと思った日、顔を上げてふと周りを見たときにものの見え方が変だったのですぐに眼科に行ったところ、そのときには「白内障でしょう」と言う診断を受けてそのまま家に帰ることになったそうですが、その帰路の途中で左目が全く見えなくなっていったんだそうです。その間ほんの1〜2時間くらいとのことですが、これは大変だともっと大きな病院で見てもらったら大学病院を紹介されて病名がわかったときにはかなり状態が進行していたのです。
怖いのは、その間目はぜんぜん痛くならなかったのでなぜ見えなくなっていったのかわからなかったということです。網膜動脈閉塞症というのは眼の中で動脈硬化が起こったということですから、以前もやはり網膜の病気でメガネで何とかならないかとご相談があった「網膜静脈閉塞症」とは状況が全く違います。静脈での閉塞はそれでも血液は網膜に届けられているので網膜細胞がすぐ死んでしまうということはないのですが、「動脈」の閉塞の場合は血液が届かなくなるということなので細胞が壊死してしまう危険に晒されます。しかも網膜細胞がその虚血状態に耐えられる時間は長くても1時間程度、このお客様の場合には正にその帰路の最中に網膜の神経細胞が耐えられなくなったと考えられます。
進行状況がどの程度だったのか、くわしくはわからないのですが、治療は投薬とまだ認可されていない新しい方法を取って、現状維持をする方向で進められたんだそうです。それが今年にはいってから状態が安定してきたことと内科系の治療もひと段落したとのことで、眼科及び内科の先生方からはこの先の治療は必要ないでしょうと言う診断をされてから言葉は悪いですが「見放された」と言う感じを受けてしまったというのですね。
一度はウチの店でも眼科の治療結果で現状以上の状態には出来ないという判断をされたのなら、メガネではどうにも出来ないとお話したそうですが、今回もう一度調べて欲しいといらしてくださったのでご本人の納得がいくようにしようと思いました。目を調べていてわかった一番の心配はまだ見えている右目が見えなくなってしまったらどうしよう、と言うもので、それは当然心配になることだと思います。視力は使用中のメガネで0.9でているので今のところ問題はないのですが、白内障の気があると言うお話と左目は動脈硬化から来ているとわかっているので次に右目に絶対に出ないとも限らない、ということ。これは眼科での経過観察が必要なことなので定期健診として年に1回以上は診ていただくことは必要だとお話しました。それと糖尿病や高血圧などに注意することと食生活や飲酒、ストレス等、全身に関してもケアをしていくことなどもお話しました。
眼科の先生はそこまで話さなかったといっていただいたのは、視野とか両眼視の見え方が左側が見えにくい為に起こる違和感など、感覚的にどうなっているからどう感じるのか、と言う話をしたときですね。眼科の先生は病気の進行を遅らせるとか、症状がよくなるようにいろいろ手を尽くしてくれますが個人差の範囲になる「感覚」の部分になると慣れていくしかないとしかいわなかったそうです。しかし、慣れていくにもなぜ慣れていかなければいけないのか、を納得できないとすんなり受け入れられないということもあるわけで、そこを今までお店で聞いて来たいろんな方のお話と加齢黄斑変性症ではありますが、網膜の異常がどういった見え方を起すのかをくわしく解説しているサイトがあるのでそれを使って説明したんです。お話していくと、全部先生が言ってたことと符合するということなんですが、やはり眼科で聞いているのとは違うんでしょうか、最後には今の状態でなれていくようにするとお話いただきました。
メガネですっきりと解決できないというのは、わかっていたんですが、それはご本人にとっては言うなれば関係ないことなんですよね。今の状態がどうしてなのかなぜ解決できないことがあるのか、を納得できるか出来ないかで感じ方は全然違ってくると思います。少しでも、心配が少なくなれば私がお役に立ったな、ということだと思ってます。

参考HP 
加齢黄斑ドットコム http://www.kareiouhan.com/
目と健康シリーズ「網膜動脈閉塞症」http://www.skk-health.net/me/06/index.html