murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

遠近両用レンズはどれも同じじゃないです!

7月1日の記事「遠近両用レンズの比較」http://d.hatena.ne.jp/k-hisari/20090701/1246451951 で今店で持ってるテストレンズを使って各メーカー・ブランドでどのくらいの差があるのかを実際に写真に撮ってみて比較したのがあるんですが、これで見ても目で見てわかる範囲もあるけれどやっぱり自分の顔に掛けてみていただかないと「自分にとってどんな感じなのか」はわからないんですね。なのでウチの店では出来る限りテストレンズは全種類掛けてもらうようにしてるんですけど。
今日予備の遠近両用メガネを作りたいと来店されたのは80歳代の男性の方で、1999年ですからもう10年前に2本作ったメガネのうち1本をなくしてしまったので同じものがほしいと言うご希望だったんです。しかし当時作っていただいたレンズはもうすでに販売中止になっていましたので、テストレンズを使ってどれがいいのかご判断いただくことになりました。
その前に、目の状態が当時とはだいぶ変わっていて、右目は白内障左目は緑内障と網膜にもなんらかの異常があって眼科に行ってもこの状態は改善の見込みがない、と言われているんだと仰るんです。うーん、そういうことなら眼科に行ってからじゃないと今メガネを作ってもすぐに白内障の手術をすることになったら無駄になるし、できれば先生の判断を仰いで処方箋をお持ちいただいてからがいいんじゃないかとお話したんですが、どうしても今作りたい、と言うお気持ちは変わらないんですねぇ・・・。
いろんなケースがあると思いますが、年齢が上がってくるにつれて目の症状というか病状と言うか、「見え方」とか「反応」が違ってくる率が高くなります。それが病気の範疇であるなら専門医にお願いしたいところなんですが、それまでと違ったメガネ・度数になってしまうと感覚がついていかないと言うか、慣れるのに時間がかかって思うように「見る」ことが出来なくなる、と言うことが時としてあります。メガネだってそうですし、白内障などの手術をすることで感覚的に「違う」事の印象が強くなってしまうとなかなか慣れていただけない、と言うのはあるようです。その点をお話して、一応度数の確認をさせていただいて思ったよりも見え方が芳しくないのならやはり眼科に行っていただいてから、と先にお話して作成を進めることにしました。
右目の視力は今までと同じ度数で0.5まで確認でき、オートレフでの数値とは微妙に違っているんですがレッドグリーンでも確認して一番いいのが今と変わらない度数であるとわかりました。変えられない、と言うのが近いかもしれません。左は視力表の確認は難しかったんですが度数が入っていないとこれまた感じ方が違うと言うことで、こちらも今までと同じ度数を入れてただし遠近両用レンズではなく単焦点レンズを入れて、バランスだけとることにしました。
で、遠近両用を選ぶ段階になって今までと同じレンズの遠近両用は作れない、とお話すると、あんたのいいと言うレンズでいい、というんですねー・・・。どれかけたって同じだから、どのレンズだって見え方に変わりはない、と仰るんだけど、じゃあ試してくださいとテストレンズを次々掛けてもらったら、やっぱり違いはあるし違いもはっきりお解かりいただけるんですよ。遠近のレンズは片方しか使いませんから、余計に見やすいものの方がいいと思うんですね。
度数としては遠視に乱視が入っているので、セイコーのレンズが使いやすいかもとは思いました。今までがHOYAのGPだったのでサミットプロとP−1ウイングあたりが見え方は近いと言うことでしたが、手元は内面累進や両面累進が感じがいいとのこと。しかし、顔を上げると印象が違うんですね。なんか違う、と言うのでP−1リガード(これは外面累進)を使っていただくと一番しっくり来る、と言っていただけました。外面累進というところは今までの設計と同じですので、やはり印象の違いは設計の違いから来るんでしょうか。
今はすごくたくさんのレンズがあって、どれを選ぶのか本当に迷ってしまいますが度数によってだいたいの方向性をつけて、順番に掛けてもらいながらどんな反応が返ってくるのかを見逃さないというのがお勧めする上で必要なことだと思います。そのためにはどんなレンズなのか勉強もしなくちゃいけません(汗)頑張らばいといけませんね。