murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

12ミリの累進帯を選ぶ

今まで何度か遠近両用メガネを作ったけれど、なかなか自分の思うようになったことがない、と言うお客様の新しいメガネを作ることになりました。レンズはやはり遠近両用でというご希望なので、ではいったいどこをどうしたら気に入るようになるのかを聞かなくてはいけません。
ベースの度数は近視で、3年前より若干度数は進んでいましたがその前のデータに比べると近視的には同じくらいに戻ってる感じ、しかし近視性の倒乱視が強くなってきていると言う状況でした。倒乱視が強くなってきているのは「老人性倒乱視」の傾向が出てきていると言うことなのかなと思います。近視の度数では一番最良の視力が出る中の最弱度を選ぶと言うのが基本なんですが、右と左の片方ずつ見ていって近視を弱くすると1.2は出るんだけど左右のバランスが取れないことと本人の自覚的に「見えにくい」という状態になるので、レッドグリーンテストでぎりぎり赤が強い段階まで持っていって両眼視で1.2が確実に出るようにしました。
この段階で前回よりも近視の度数は2段階強くなっているので、加入度数は前回よりも2段階以上強くしないと今よりはっきり見えるという感覚にはならない、ということがわかりました。しかし、ご希望をよくよく聞いていくと、加入度数の問題ばかりではなかったんですね。目線の通る位置が問題だったんです。
ご本人の希望はメガネの中央部分を使って、軽くひじを曲げたときに新聞の字が見えるようにしたい、というものでした。自然な感じで手元に目線を持っていってもらうと顎を少しひいた状態になるのですが、その位置で手元をとなると実は全然近業度数位置に入ってきていないので字は見えにくくなります。少し顎を上げてもらえますか、というとよく見えるというのですが、それでは疲れてしまうので嫌だ、ということです。では、顎の位置は変えないで目線だけさげられるかというとそれもできないんですね。遠近両用のレンズはセンターラインに対して5ミリくらい上(レンズによっていろいろあるんですが)に遠用ポイントが、その下から一般的には14ミリの累進帯があって近用ポイントがあるんですが多分14ミリ分目線が下がってないんです。
これは私の考えですが、近視の方で−3.00Dくらいだと手元はメガネなんかないほうがよく見えるんです。40歳代くらいだとまだ20センチくらいの近点距離で近いなぁと思うけれど、50歳代にはいるとだいたい30〜40センチくらいの距離に合うようになるので、メガネを外せば見えるんです。で、大概その時の目線の位置って顎を少し引いていると思うんですね。メガネをかけていない状況で(=裸眼)新聞を読むときって上じゃなくて下を見ているはずなんで。その時の目線の動きを遠近両用メガネを掛けていても再現できないと「自分の思うようなメガネの見え方」とは言わないんじゃないかな、と思うんですね。しかしこれはなかなか難しいことなんです。
いろいろ試していただきました。トライアルは10種類以上試して最後に残ったのがプレシオダブルの累進帯12ミリ、FDの14ミリ、P−1シナジーの14ミリ累進だけど加入がほかより1段強いもの。目線の動きで見るとプレシオダブルの動き方がいいというのですが、手元の視界が狭く感じる、というので最初はP−1シナジーでセンターラインを2ミリUPして作ろうかと思ったんですが、同じ2ミリUPするんなら累進帯をはじめから12ミリで作ったほうが遠用の視界を大きく確保できる、と思ったんです。
セイコーレンズガイドの累進帯の位置確認が描いてあるレンズの設計図みたいなのを利用して、その累進帯を14ミリから12ミリにすることを説明させていただきました。やり方としてももう一つ、14ミリの累進帯のレンズでセンターラインUPすることもお話しましたが、今回は12ミリ累進帯で作ることになりました。
最近のレンズの設計はかなり揺れに対してはよくなっているので、昔のレンズのように累進帯が短い所為で歩きづらくなったというのはない様に思います。今回作るメガネが気に入ったといっていただけたら嬉しいですね。




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