murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

近見メガネ(てことは老眼鏡)の考え方

23日の続きです。正視の裸眼状態の場合ばかりでなく、近視でも遠視でもきちんと遠方視のできる度数で補正すればそこで「遠方視専用」状態になるので近業は難しくなるのです。その状態から近見作業を行うには「調節範囲を作業距離に持ってくる」必要性があります。調節力が減少するにつれ、調節距離を移動させなければいけない距離も多くなってきます。
眼前のより近い位置に調節範囲を移動させることによって、近業距離は短く(より近い位置で物が見える)なります。数直線上で言うと右に移動させる=プラスレンズを入れる必要があるわけです。
正視で調節力が2Dになった状態の人の場合、33.3センチの場所で物が見たいとなっても裸眼では50センチの場所までしか近寄らないので、16.7センチ分まだ足りません。この分を近寄せるには、+1D足せばギリギリになりますが(−3Dの位置に作業距離を持ってくる)これだと常に調節力を含めて目を緊張させていることになりかねなく、負担がかかりすぎるので、+2Dの度数で補正して調節力の半分の力に余裕を持たせた設定をする、ということをします。調節範囲の中央に目的距離が来るようにするということです。

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これが必ずしも正解の設定というわけではありません。メガネを作る実践の場ではテスト枠で確認していただきながら度数を前後する必要が出てきます。

近視の場合は元々の調節範囲の中に目的作業距離がはいっている場合は近見用の補正は必要ない場合があります。しかしその範囲が狭くなっている場合、近視が弱い場合には必要な位置まで作業距離を移動させなければいけません。この図の場合では+1Dの補正を入れることにより調節力の半分だけ余裕を持たせてあります。

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近視がもっと強い場合には、裸眼で問題ない場合もありますが近視の弱いレンズで補正していかないと目的距離にならない場合があります。この図の考えると−4Dを超えると作業距離が25センチよりもっと短くなるので25または33.3センチの距離が調節範囲の中に入るようにマイナスのレンズを入れる必要があります。

遠視では調節範囲が眼前にはなく眼後なので、かなり強いプラスレンズが必要になります。図では+4Dで補正しています。これは+2Dの遠視に正視の場合の補正+2Dが追加された形と同じ意味です。なので、遠視の場合には度数だけ見るととても強い度数のメガネが必要になったと見えますが、遠方使用の補正が入った状態に正視の場合の近見用補正が入ったと見るべきで、そう考えると必要以上に強い度数ではないのです。

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いずれの場合にも近見作業用のメガネを掛けると手元がよく見えるようになりますが、数直線上の遠方視を示す場所からははずれてしまっているので、このことにより「老眼鏡をかけると遠くが見えなくなる」ということが起こるのが理解できます。



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