murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

老眼の図解説明

眼鏡学校の通信教育を受けている社長の息子さんが現在勉強している「眼鏡光学」のテキストに、「老眼の図解説明」が載っていたのでご紹介します。
なぜ人は老眼になるのか、というのは言い方は変わってもいつも聞かれることの一つです(メガネ作成時に関しては一番多い話題かもしれません)が、年齢が上がるにつれ調節力が劣るからというのが一般的な説明になっています。JISによる説明でも(JIS Z8120)「年齢とともに進行する調節能力減退のために、近くの物体を見るのに支障を生じた目の状態」となっているんですね。
この場合注意しないといけないのは、「正視あるいは無限遠方が明視できるように補正された状態の目」であることが基であって、わかりやすく言うと近視や遠視の人の場合は眼科やメガネ屋で1.2の視力が出る状態に合わせたメガネをかけていることが前提になるわけです。近視の目はもともと明視距離が手前にありますから、「メガネをはずせば近くが見えるから老眼にはなりにくい」と言うのは誤解であって「メガネをかけていると手元が見えにくくなってきた」というのが老眼になったということだと理解しないといけないんです。
また、遠視であることと老眼であることは全く違うものなので「老視とは遠視になること」と言うのも誤解です。遠視の場合裸眼で近くを見るのはなかなか難しいですが、この場合も無限遠方が明視出来るような補正がなされていてなおかつ調節力が十分あるなら、手元をしっかり見ることも可能です。
近視であろうが遠視であろうが、必要な補正がきちんとされていれば、また正視状態ならば、年齢により調節範囲は同じように変化していきます。それはなんと、40歳で5Dの調節力を持っていたものが50歳では2D程度にまで減少してしまうのです。
正視眼で、今まで調節力が5Dあった目の人が2Dになったとする場合、遠方視は無限遠方とすると近業距離は50センチまで伸びてしまいます。
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この場合、調節力5Dの時と同じように近業距離20センチのところでものが見たい場合には単純計算で3Dの補正が必要になりますが、たいがいの場合手元の距離を35〜40センチで設定するので実際の処方値は+2.00Dで補正する程度と言うことになります。
近視の場合も基本的には正視の場合の0地点が変わるだけです。−2.00Dの近視の場合では図のように−2の位置にずれているので近業距離が調節力5Dのときには14.3センチとなっていたのが2Dとなった場合には25センチから50センチの間になるため、近視の遠方視補正−2.00Dを入れた場合に上の正視状態と同じになります。
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このため、この場合の近視の目はメガネでの補正を外せば手元が見えるということになりますが、イコール老眼ではないというわけではありません。
遠視の場合、補正をしていないときの0地点は眼後方向に移動します。+2.00Dの遠視の場合では図のように+2の位置にずれているので、調節力5Dの場合には明視域が無限遠点から33.3センチのところまでありますが、調節力2Dになると遠方視をする為に持っている調節力を使ってしまいます。これではどう頑張っても手元を見ることが出来ません。
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+2.00Dの補正を入れて、0地点を正視と同じにした段階でようやく調節力を使える状況になりますが、それでも近業距離は50センチです。快適に近業距離を見るためには、+2.00D程度の補正を追加する必要があります。
さて、調節力の減少を抑えるには、と言うのはよく聞かれるんですが(今日も聞かれたし/笑)、今までお客様と接してきて思うところでは年齢から来るものに関してはある程度(ほんのちょっとの気持ち程度)しか減少を抑えることができないようなんですね。しかし、食生活(菜食主義系な人とか脂っこいものをあまり食べない人、アルコールは程々な人、これは意外に納得なのかもだけど外食が少ない人)や日頃運動をしている人、煙草を吸わない人などが年齢よりも調節力がたくさんあるように思います。やはり日頃の生活習慣と言うことになるもかもしれませんので、身体にいいといわれたものはどんどん取り入れたほうがいいのかな、と思います。




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