murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

微妙な乱視は難しいです

とても微妙な乱視の度数を入れたほうがいいのかどうか、迷う時があります。それとはまた逆に、+0.25Dと−0.25Dの乱視を入れてあげることで左右のバランスがとれて「今までになく楽な見え方だ」と言っていただけることもあります。乱視というのは、それが必要なら近視や遠視とともに視力を出すのに十分な条件となりますが、必要ないなら入れないほうがいいわけで、それが「本当に必要なのかどうか」を見極めるのは結構微妙で難しくて、日々変化している見え方の状況のどこを取るのか、といった感じの場合もあります。
乱視がありますね、と言うと大概の方が悪い病気にでもかかってますねといわれたようにぎょっとされるんですが、乱視があるってのは100人いたら99人には乱視があると考えてもおかしくないよ、と言うくらい普通の「目の状態」だったりします。たとえば近視は「目の調節をしていないときに網膜よりも手前に焦点が結ぶ」ことを言い、遠視は「目の調節をしていないときに網膜よりも後ろで焦点が結ぶ」ことを言うのと同じように、乱視はそれが直乱視の場合は「目の調節をしていないときに縦方向の光は網膜よりも手前で焦点を結び、横方向の光は網膜よりも後ろで焦点を結ぶ」(倒乱視のときはこれが逆になる)わけで、目に対して外から平行に入ってきた光の焦点がどこでどのようにして結ぶのかがどんな種類の屈折異常になるかの分類基準なので、乱視と言うのは病気でもなんでもないわけです。
また乱視の経年変化というのもあって、これは角膜湾曲の変化によるものが原因の一つと考えられているんですが、若いうちに直乱視であったものが老眼を心配するようになる40代以降に倒乱視に変わっていくんですね。同じ時期、40代後半から見られるようになる「老人性遠視」による遠視化とともに倒乱視化が起こるともいわれています。
ここで出た老人性遠視と言う言葉ですが、これは元々目がとても良かった方(正視眼や弱い遠視で自己補正できていた方)の眼の中の水晶体と言うピント調節をする器官である毛様体の機能低下によって遠視の補正が出来にくくなってきたことにより表面化する遠視のことで、いままでメガネはいらなかった方が年齢的にも早い段階で手元が見えにくくなってきた場合に「もしかしたら遠視が表面化したのかも?」と考えます。その場合には老眼鏡ではなくて普段にも使っていただいて差し支えない遠視を矯正するメガネ(遠方視用メガネ)を作るだけで手元も問題なく見えるようになったりします。そのときに自己補正できていた微妙な度数の乱視が表に出てきて見え方を左右することがあるわけです。
乱視があると焦点が2つあるわけなので、そのどちらもが網膜に焦点を結ばないでいると見え方はぼやけています。しかし「乱視=ぼやける」ではなくて乱視もぼやける要因のひとつであると言うだけで、他にもぼやける要因はいろいろあります。近視でも遠視でも、また屈折異常はなくても何らかの病気があってもぼやけることはあるので、見え方の確認をしていって度数の補正をしてもそれが向上しない場合には、メガネ屋だけで用がすまなくって眼科に行っていただくことをお願いすることは(経験上たくさん)あります。
メガネを作る場合、それは近視や遠視であるとき微妙な乱視があったとして、それをいれたほうがいいかどうかを判断する時には年齢の低い場合にはきっちり入れ込んで使えるかどうかをまずお聞きします。意外に思われるかもしれませんが、年齢の低いうちは調節力も旺盛ですので自己補正する力も旺盛ですが適応能力も旺盛ですので、必要だと判断した乱視をきっちり入れ込んでもすぐに慣れていただくことが出来ます。また乱視と言うのは焦点が2つある状態だ、と上にも書きましたが、と言うことはその焦点が2つある状態をほったらかしにすると「焦点が2つある状態が自分の見え方の通常の状態」と言うように慣れてしまって後々補正しよう(視力を出そう)と思っても出来なくなってしまう可能性があるんです。これはとても危険なことで、子供のメガネで乱視が必要となった場合には慎重になります。できれば眼科で判断してもらうのが一番です。
すでにメガネの経験がある、今までも乱視のメガネをかけていた場合も必要なだけきっちり入れ込んで見ますが、変化が大きい場合なんかは今までの見え方に近いほうにあわせていくほうが無難だったりします。乱視の度数が3段階以上度が強くなるほうに変わったら年齢的に40代以上の場合には慣れるのが難しいことが多いです。
先日新しく作った私の遠近両用メガネも今までよりも乱視を強くしましたが、本当は2段階強くしないときっちりと補正できていないんですが、掛けると圧迫感が強くなるので1段だけ乱視を上げました。微妙なんですけど、その1段で掛けられるかけられないが左右するんですね。



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