murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

糖尿病からくる網膜の病気

糖尿病から網膜に影響が出ていて、左目は思うように見ることが出来ないという70歳代の女性の方からご相談を受けました。眼科で何度も診察を受け、視力の確認もしたけれど度数を入れたメガネを作っても効果がないとのことでサングラスの使用を勧められたとのことです。しかし、ご本人は「サングラスは柄が悪く見えるから嫌だ」と思っていらっしゃって勧められて購入したサングラスとは違う「何か」がないかと思って来店されたのでした。
まず糖尿病が眼や網膜にどのような影響を与えるか、ですが、血液中の糖が多くなることによって血管が詰まりやすくなることから、網膜への必要な酸素・栄養が欠乏して網膜自体が冒されます。網膜は眼の中のいわば「スクリーン」ですから、この部分が傷んだり歪んだり、それを構成している細胞が機能しなくなったりすると角膜・水晶体と通ってきた光(映像)を正しく映さなくなります。メガネレンズは角膜や水晶体に届く光をどうやって通せば正しくまた楽に見せることが出来るかを担う道具ですが、最終的に映るための場所が歪んでたり反応しなくなっているものを改善するだけの力は持っていません。そのため、眼科の先生はメガネを作っても効果がない、とお話されたのだと思います。
眩しいというのは、網膜の感度が低下していることや右目には白内障もあるとのことなのでそこからくるグレアと言う症状も関係しているのかと思いますが、何より今の状態を維持することに重点を置いて見た目や格好よりもどれほど楽になるかを考えてほしいこと、それに、眼科で勧められたというサングラスが結構オシャレだったので、ご本人は嫌だ気に入らないと思っていてもはたから見る分には何の違和感もないし、ずいぶんオシャレなんだくらいにしか思わないですよーとお話しました。
ご年配の方になると、サングラス=色眼鏡と言う認識でどうしてもマイナスイメージになったり、よほどの重病人なんじゃないかと思われるのを嫌がる方は多いです。でも意外に自分以外の人はそこまでマイナスに思ってなかったり、メガネが変わってもわかんなかったりいつも掛けてるメガネがかかっていなくても気がつかなかったりしますから、それよりも楽なほうをとったほうがいいです。少しでも刺激や負担は少ないほうがいいですから、サングラス(当然紫外線カットありのもの)と帽子は必要かなと思います。
結局このお客様にお勧めできる違う「何か」は見つけられなくて、微妙にゆるめだったかけ心地を直すだけで終わりました。うーん、また商売抜きなおしごとでしたねー(笑)
参考HP
眼と健康シリーズ 糖尿病網膜症 http://www.skk-health.net/me/02/index.html
日本眼科学会 糖尿病網膜症 http://www.nichigan.or.jp/public/disease/momaku_tonyo.jsp