murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

パールとレンズの共通点

パールの硬さはモース硬度で3.5〜4、これはモース硬度の基準石である中の蛍石(フローライト)とほぼ同等の硬さです。銅版よりもちょっと硬く、より硬度の高いものをこすり付けると傷が入ります。より硬度の高いものの中には空気中にある砂埃やチリなどがあります。これらは硬度7、やすりも同じ硬度7なので、ホコリやゴミがついたままの状態でパールを汚れのついた布や専用でない布で乾拭きするのは紙やすりでこすっているのと同等な行為ということになります。こう考えると怖いですね。
ガラスの硬度は5、人のツメの硬度は2.5なのでガラスレンズにつめを立てても傷は入りませんが、砂埃は上に挙げたように硬度7なので乾拭きしているとそのうちキズが目に見えてきます。
モース硬度というのは「何かを何かで引っかいたときにキズがつくかどうか」のランキングであって、そのものの強さや壊れにくさを示しているものではないのです。硬度10のダイヤモンドは現実に存在する物質の中で一番モース硬度が高く、このランキングは硬さを計る試料物質で標準物質をこすり、ひっかき傷の有無で硬さを測定して決めるものなので、硬度の数値が低くなっていくほど高いものによってキズがつきやすい、と判断できます。
しかしモース硬度が高いからといって叩いても割れないというわけでもないし、ランキングは相対的であるので同じモース硬度の数値であっても同じものであるとは限らないという一見わかりにくいものであるんですが、ジュエリーの世界では一番硬度が高いのがダイヤモンド、というところから見ていくといろんな宝石をランキングしやすいという利点がありますし、扱いの目安にもなるものです。
ところで、プラスチックの硬度とはいったいどれくらいでしょう。調べてみてもそういった観点で見る事がないせいか、ちょっと見つかりませんでした。しかしメガネレンズとして販売しているものに関しては、ガラスと同等だと思っていいと思うんですが(モース硬度的に考えるのでこの場合の破損に対しての強度は考えません)となると硬度は5程度、パールよりもちょっと硬いかなといったところですね。
ということは、このモース硬度で考えても砂埃をこすり付けることになる乾拭きというのはレンズにキズを入れてしまう恐れがある、とわかります。
この硬度4の基準石である蛍石(フローライト)の中でも透明なものはレンズとしてむっちゃくちゃ高価で、合成技術が出来上がってからは高級クラスのカメラのレンズや望遠鏡や双眼鏡のレンズに使われています。どのくらい高価かというと、双眼鏡で25万円くらい、カメラレンズでは45万くらいなんていうのがありました。なぜ、このフローライトレンズが高価なのにこういった光学機器に使われているのか、ですが、ガラスレンズでもどうしても出てしまう色収差がこのフローライトでも若干起きるのだけれど、この二つを組み合わせることによって両者の収差を打ち消しあって大変高性能なレンズが出現するのです。ちなみにメガネレンズにはどう頑張ったって作れません。なぜなら、強度がとっても弱いから加工性がとても低いのです。
硬度という点ではパールもメガネレンズも同じように大事に扱わなくてはいけないんですね。

モース硬度とビッカーズ硬度
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