murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

白内障、手術とメガネ

今日のお客様はご夫婦で、ご主人の目のことでご相談にいらっしゃいました。数ヶ月前ウチの店で老眼鏡が欲しいと来店された時に視力の出方に問題があって眼科での診察を受けていただきたいとお願いした方でした。
その後、メガネを作りたいと希望して眼科の診察を受け白内障があるのですぐにはメガネが作れないとの診断をされて、手術をするならと総合病院で診てもらったところすぐにも白内障の手術が必要だとわかったとのことで、2月の来院で3月2日に手術に入るという早急さで予定が組まれたとのこと。短期間で手術を決めなければならないということと、眼科で説明を受けたときに白内障の術後の経過の中の注意事項に出てきた眼内炎がどうしても心配で直前になって手術を取りやめた、と仰いました。
ウチの店に来た目的は、何とかして希望通りメガネだけで新聞を読むことができないものだろうか、と言うのです。
先生から貰ったという白内障の説明書きを見せてもらいましたが、手術前の検査と目の状況の説明、手術の方法から術後の予定がきちんと書かれていました。ご本人も今よりも見え方を改善させるには手術が必要と言うのはわかっていても、術後の炎症と言うのがいったいどんなものなのかとすぐにはっきり見えるわけではないという人の話を聞いて心配になったとお話されました。
白内障とは、目の中のレンズの役割をしているタンパク質と水分から出来た「水晶体」が何らかの原因でタンパク質に変性を起して濁ってくる状態のことを言います。原因はさまざまですが、その多くが「老人性」「加齢性」と付く老化現象からくるもの、とされています。
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水晶体は一旦濁ると元に戻りません。いきなり全体が濁るのではなく気がつかないくらいの速度で徐々に進んでいくというのが一般です。また濁りの出る場所により視力にも影響が出るのですが、日常生活に支障が出ないうちに治療が始まって進みを遅らせることが出来るとある程度の視力が確保できます。しかし進行していって日常生活に支障が出るようになると眼内レンズを入れる手術を受けていただくしか方法はないのです。
今回のお客様は裸眼視力では0.05が出ておらず、矯正視力で0.4近点視力は今使用中のメガネと同じ度数を使い30センチで0.3、新たに矯正した度数(今のメガネよりも3段階強い度数)でも0.3とほとんど変わらないことがわかりました。やはり、水晶体の濁りの進みがかなりあって新しいメガネレンズを目の前においても効果が上がらないということがわかったのです。
残念ながら、メガネではお客様のご希望を叶えることが出来ませんでした。でも目の白内障のほかに糖尿病も高血圧もないというし、そのほか内科の病気は持っていないというのです。術後の心配は、眼科での指示をしっかり守って定期健診や使わないといけない薬、目を擦ったり力仕事したりすぐに畑仕事したりしないと言った注意事項を守ることで解決できることです。安定期を入れると2〜3ヶ月かかりますが、眼内レンズを入れることで今よりも良好な視力を確保することは出来るでしょう。
もしかしたら今日のご相談は、手術をしなければいけないことの確認をしにいらしたのかもしれません。

白内障の参考HP:
日本眼科学会 http://www.nichigan.or.jp/public/disease/suisho_hakunai.jsp
参天製薬 http://www.santen.co.jp/health/hakunai.shtml
稲葉眼科 白内障 http://www.ganka.com/diseases/cataract/cataract.htm