murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

それでも遠くは見える、と仰いました

今日のお客様は、12年間度数を変えずに使っていた老眼鏡が最近午後になるとものの見え方が悪くなって、見ているはずの楽譜の罫線がだぶってくる、というご相談でした。
度数を変えれば何とかなるか、というのですが、当然度数は強めに必要になっているとは思いましたが、それよりも12年間も同じ度数で不自由がなかったと仰っているのと頑張れば見えないこともないけれど午後からはどうしてもものが重なってしまう、というのが気になりました。たぶん、乱視が結構入っていると思ったのです。それで、普段は必要ないし離れているところはとってもよく見える、というのでなおさらです。このお客様は遠視に加えて近視系の乱視が結構入っていて、その近視系の乱視の分だけ手元に焦点を引き寄せられるから12年分の加入度数(おおよそ5から6段階分、2.25〜2.50D分)を補えた、と考えられるのです。
年齢は60代半ばなので、自前の調節力は1.00〜1.50D程度と考えられます。となると乱視は1.50Dくらいかなぁ、と思ってましたが実際に調べてみると−1.50Dと−1.75Dがそれぞれ右と左に必要で、2段階落とすのが限界ということもわかりました。完全矯正値から調整をしていって最終的に掛けていけるとなった装用度数は右も左もプラスのベース度数とマイナスの乱視度数で、いわゆるミックスという状態です。これで遠方視力は1.2まで出ました。遠方視には全く矯正をいれてみたことがない(=メガネをかけたことがない)とのことだったのでココまで視力は出ないだろうと思っていたのでこれは驚きでした。
メガネを使ったものの見え方を乱視表(放射状の線)と1.0および1.2の視力表を使って説明して、なんたってメガネをかけないと遠方視は0.4が精一杯ですからその違いは明らかなんですが、また道路を挟んだ景色や室内の遠近感もはっきりしていいと説明している間はわかっていただけるんだけど、でも、仰るのです。
遠くは私はきれいに見えるから、そっちはいらないんだよね、と。
うーん、遠視の方のメガネをお作りするときにはこう返していただくことがとても多くて、そのたびにいつも思うんですけどこの場合の「それはいらないんだよね」はこっちは理解できてるんです。今までメガネをかけていなかったんですもの、どんなに遠視が強かろうと遠く用のメガネはいらないというだろう、というのは予測できるんです。でもそうじゃないんです。ご自分の目の状態が、いかに疲れやすいのか、遠くを見るためにピントを合わせるのに苦労する目なのか、それをきちんと知っていただきたいんです。作るのは手元用というのは承知してるんですが、目の状態をわかってもらってからちゃんと合ったメガネを作らないと何の意味もない、と思うのです。
遠視の方の場合、それまでに見えるというデータが頭の中に膨大につまってますから、見えているものに対して「見える」という意識が先に働くんじゃないかなぁと思うんです。今日見させていただいた限りでは遠くに対する焦点の合い具合も乱視の影響でかなり目を細めないといけないし苦労しているようなんですが、それでも遠くはよく見える、と仰るのです。
作ったのは手元用、今までよりも2.50D強く乱視は3倍入っているものになりました。せっかく矯正すれば1.2まで視力の出る目をお持ちなので、あんまり目を疲れさせないように、手元を見るときはメガネを使ってこれから日差しの強くなるときは日光を避けるようにしてくださいね、とお願いしました。




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