murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

メガネの度数は顔を見ただけじゃわかんないってお話

時々読ませていただいているコンサルティング会社の社長さんのブログ(コンサルティング日記 http://blog.livedoor.jp/funaimegane/)に、こんなことが載っていました。
「商売とはムシのいいお願いをいかに納得して買ってもらうかということで、根底にはどこまでも図々しさがある」ので、その図々しいお願いをするにも、いったいどんなものをお客様が求めているのか、よく聞きこちらも良く説明します、と。
なるほどなぁ、と思った。まぁ昨日の遠視の方のケースも、考えようによっては私の「メガネを掛けたほうがいいですよ」と言うお願いは相手にとってはムシのいい勝手なお願いになるんだろうと思う。たとえご本人が自分のものの見え方に不安と不満を持っていようと、調べた結果が明らかに矯正が必要だとわかる状況であろうと、「メガネを掛けたくない」と言う部分が解消・納得されない限り本人にとっては嫌々ながらメガネを掛けることになるのは変わらないわけで、それであっても顔に掛けてくれればまだいいけれど、メガネが必要だと言うこちらの言葉に押し切られて作ったはいいけれど結局掛けたくないからケースに仕舞ったまま、だなんてことになったらただの無駄な買い物にしかならない。実際すでに遠近両用メガネは眼科の処方箋が出たからといって作ってみたものの、掛けられないから使ってないと言う「事実」があるのだから、本人の納得無しに話を進めても本人の為にならないばかりか、あそこで無駄な買い物をしたと言う記憶にまた追加される事柄を増やすことにしかならない確率の方が断然高い。そうなるのは私にとっては不本意だ、なので遠視の方でどうしてもメガネが掛けたくないと言う人には無理には勧めない、と言うのはある。自分の娘だったり身内だったりしたら泣こうがわめこうがどやしつけてでも掛けさせるけれど、本人は調べた結果を聞いてるし遠視がなんなのかの説明も聞いたうえでこのままでいいといってるんだし、見え方で苦労するのは私じゃないんだから、と心の奥で一生懸命自分に言い聞かせながらですが。
なんかね、逆説のパラドックスみたいだけど長年メガネ屋さんやってると、目が心配だといってメガネ屋に来るのに私は目はいいからメガネは必要ないんです、と言う人にたくさん出会いますよ。目はいいけれどどうも最近かすむような気がして、と言葉で説明されてもどんな状態なのかわかんないからメガネの度数が必要なのか調べさせてくれ、とお願いすると、検眼器の前に座ってもまだ「目はいいんだ」と仰る方はたくさんいる。うん、それはわかってるんだけど、例えば「僕の足は大きいんだ」と言うお客様に見ただけで28センチがいいのか30センチがいいのかはわかんないじゃないですか。そりゃ、世の中には神がかったプロがいらっしゃるから見ただけでスリーサイズを当てられる人はいるだろうけど、ちゃんと測らせてもらってからサイズを設定したり、ためしに履いてもらってからそれより上がいいか下のサイズがいいかを見ていくと思うんですよね。メガネの度数はその方の顔つきを外から見ただけじゃ全くわかりませんから、いろんな視表を見てもらいながら見えるか見えないかを聞いていって、それによって度数を割り出していくんですね。時々、「あんたはプロなんだから話を聞いただけでわからんのか」と言われることがないわけじゃないんですが、出来合いの老眼鏡を売るときならまだしも、目安になる前メガネも何にも無い時はさっぱりわかんないですよ、プロでも。
ていうか、プロだからこそ「わからない」と言うところから出発しなくちゃいけないんじゃないかな、と思ってる。
目はよく見えるんだ、と言うお客様はじゃあなんでここに来たのか、今までと度数は変わらない、と言うお客様はじゃあなんで新しいメガネを作ろうとしているのか、目がかすむというお客様はどうしてそうなったのか、「わからない」からいろいろ聞いて調べて自分の「わからない」事柄をお客様と一緒に明らかにしていくことで、「本当に必要なもの」が何であるのか納得していただけるんだと思うのです。
だいたいこんなところでいいだろう、ではいけないと言うことです。




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