murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

偽近視とは何か?

偽近視、と書くとその名のとおり「にせものの近視」と言うことになりますが、呼び方はいろいろあって「仮性近視」とか「学校近視」とかいう場合もあります。では偽近視とは何か、ですが、調節緊張により一時的に近視の状態になった眼のことを言います。その原因としては近業が一番多くあげられますが、子どもの時分は毛様体という神経支配のある筋が一定の緊張以上に高ぶりその度合いを増すので(トーヌス亢進)必要以上に水晶体が厚くなり近視状態になっていると考えられる場合もあります。そうして、その緊張状態をコントロールすることが上手くできない場合、近視として表面化します。
しかしこの偽近視と言う考え方にはいろいろな説があって、状況として近視に移行する途中と考える眼科の先生もいらっしゃいます。それは、近視の治療と言うものをしていけば論理上治るとされる偽近視ですが、結果程度の大小があっても近視になる可能性が大変高いからです。
では、その治療法とはどういうものか、ですが、その前に「偽近視」と呼ばれるものはそのほとんどが子供のうちにしか当てはまらないものだと言うことを覚えていないといけません。大人になってから「偽近視・仮性近視」であると言うのは例えばパソコンに見すぎでピント調節不良になってほんの一時遠くに焦点が合わせられなくなってしまうとか、頑張って目を凝らせば見えるのに、と言うような状況は正しい「偽近視」とはいえません。その場合にはきちんと視力矯正をして遠視であるか近視であるかを見極めたあとに適正なメガネなりコンタクトレンズなりを使用することで解消されるはずです。
これは自分の経験ですが、おおよそ−1.50D未満の状態で雲霧法を用いてみて若干の度数の軽減がある場合にはある程度の偽近視だと考えられると思います。これは近視の方ばかりでなく、遠視の方にも当てはまります。弱い遠視が本当はあるのに、メガネの度数として必要のない正視状態になっていたり、弱い近視になっていたりするのは、すなわち「偽近視」状態にあるから焦点が本来の遠視である場合の焦点位置よりも手前で結ばれていると考えられるからです。いずれの場合も、水晶体は必要以上に厚くなっているわけですからこの厚さを調節をしていないときの状態に戻してやることが出来れば偽近視は治る、といえるわけです。
偽近視である場合、メガネやコンタクトレンズで焦点が正視状態と同じ状況になるように矯正してしまうのは偽近視を治す機会を失ってしまうので「やってはいけないこと」と眼鏡学校の教科書には載っています。なぜなら自身の調節力で厚くなっている水晶体をそのままの状態を保存したままメガネ等で補正し視力を得られるようにしてしまうからです。これでは水晶体は厚いままを持続し、それが固着して本当の近視になってしまいます。なので緊張状態をといて水晶体が薄くなるように持って行くのが偽近視の正しい治療と言うことになります。しかし、この判断をするのは非常に難しく、メガネ屋では無理だと思ってください。また専門家でない素人判断も無理です。(ここははっきり言いますよ!)目を細めたり、斜めに見ようとする仕草が増えたり、テレビに近づくことが多くなったり、眉間に皺を寄せてものを見たり、遠くを見るのを嫌がったりするようになったら、なんらかの視力低下があると疑っていいと思います。
その疑いが出た場合には、眼科に行って診察を受ける必要があると私は考えます。そうして一時的に調節をとる点眼薬を使用して視力検査をしたり、一定期間(だいたいは3ヶ月程度)筋肉の緊張をとる点眼薬を寝る前にさして状況を見ます。これで近視の度合いが減るなら偽近視と判断されると思います。
偽近視と判断された場合に家庭で出来ることはなんだろうか、と考えると、単純ですが「遠くを見る」という望遠訓練と呼ばれるものが一番いいと思います。調節力と言うのは無限遠点を見るときには0D、5メートルでは0.2D、3メートルでは0.3D、2メートルでは0.5Dあるので、ほんの少しでも休ませる為に海とか山とか、遠くの景色を見るのは有効だと思います。また遠くを見たり近くを見たりと、交互に視点を変えて水晶体・毛様体に緩急をつけさせることも調節緊張を取るのに有効です。また、本を読んだり、パソコンをしたりゲームをしたりするという至近距離(例えば30センチくらいのところでものを見ているとする)での作業が続いた時には、2〜3メートル先をボーっと見るだけでも緊張を解くのにいいと思います。店では40分〜1時間くらいに1回5分程度視点を変えるだけでもずいぶん違いますよ、とお話しています。
偽近視は「調節緊張」があって起こるわけなので、自身の持つ調節力で何とかなるものではないんですね。その逆で調節力を抜いてやることが必要なんです。なぜなら、調節というのは前に作用はしますが後ろには作用しないからです。なので子供の近視は偽近視だから、調節力を駆使して見えていれば問題ない、というのはまったくの正反対の意見なんです。(昔そう言い切ったお母様がいらっしゃったんですよ・・・・・結局そのお子さんは中学の段階で強度近視にまでなっちゃいましたが)必ず、眼科に行ってくださいね!


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