murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

メガネのフィッティング、プレ話

今日は朝からメガネの変形直しが立て続けにやってきました。面白いことに最初の3本は3本ともピンキー&ダイアンというブランドのフレームで、横幅が広がったという相談をツーポイント・ナイロールフルリムと、フレームスタイルバリエーションのフルラインナップで承りました(笑)このブランドの枠は結構固めの素材なので直すときに力が要るんですよ・・・いやーでも、3本ともちゃんと直しましたが。
昨年遠近両用のメガネを作ってくださった70歳代の女性の方から、最近近くを見ていると疲れてくるのはメガネの度が合わない所為ではないか、とご相談にいらっしゃいました。新聞を読んでいるとだんだんと焦点が合わなくなってくる、本を読んでいるのが辛い、という内容でしたが、度数は近視系でしかし両眼とも乱視が−3.00Dで90度方向に入っているというもので、元々縦書きのものが見えづらい性質をしていらっしゃる目をしているんですね。一応視力の確認をして度数の変更は必要ないことと、手元の度数のみにしてみて現状の遠近両用メガネとどのくらい見た感じに差があるのか、そこをお聞きしました。
そうすると、テスト枠を使った時点では手元の見え方に差はほとんど感じないとのことで、では何が一番問題なのかとご本人のメガネを掛けてもらって、すぐにわかりました。メガネの枠が大きすぎるんです。
さほど大きな顔の方ではないので、枠の上下幅で顔の半分を覆うくらいもあるのは確実に見え方に影響します。特に遠近両用レンズはレンズの中心から遠用度数のアイポイントは4ミリ上、近用アイポイントはだいたい14ミリ、設計により11ミリだったり12ミリだったり16ミリだったりしますが、それ以上長く累進帯長があるものは中近レンズ以外どこのメーカーを探しても見当たりませんから、せいぜい35ミリの上下幅があれば見やすい位置に遠用アイポイントも近用アイポイントも入ってくるんです。ですが上下幅がありすぎるとその枠の中心ラインがぐっと下に下がりますから、近用アイポイントだってそれに連れてぐっと下のほうに下がってしまうんですね。そうすると目線をずーっと下に向けてないといけないか顎を上げてないといけないようなメガネの使い方を強いられるので疲れてくるだろうし、目線が下がりきらないと焦点があわないことになるのでぼやけて見えるんですね。
その点を説明させていただいて、もっと小さい枠にしたら使いやすいものになるだろうといいますと、枠だけは何年も変えないで掛けてきたので他のデザインはちょっと・・・・・と仰います。うーん、そういうことなら仕方ないので今の状態よりも鼻の位置が上になるようにクリングスアーム(鼻当てのついている足の部分)を狭くしてみました。こうするとメガネ全体の位置が上がるので手元の度数が入っている部分も上に上がってくるわけです。これでだいぶ見やすくなったと言っていただけたので、やはり問題は目線を下げられるところに近用アイポイントがきていなかったということとわかりました。
何が使いづらい原因なのか、また見えづらい原因なのか、ただ「使いづらい・見えづらい」というお話だけではわからないんですね。なのでいろいろと問題だと思うことを挙げていって、原因を探していくのがメガネの作成ばかりでなくフィッティングをする際にも必要なことです。自分の顔にかかっているメガネを直すんじゃないんで、何をどうしたいのか、枠が下がってくるのかつるがきついのか、つるの掛かりが浅いのか鼻が当たりが痛いのか、具体的にと言ってもご本人はその「具体的」な言葉を思いつかないことが多いのでどんどん聞いていくことにしています。
また、メガネ枠を選ぶときに既にフィッティングは始まっているわけで、たとえばこの女性の場合には大きすぎる枠を選んでいたんで見え方に影響していた、というように、一人ひとりの顔かたちにあった枠あわない枠というのがあるんですね。鼻の高さのない人はセルフレームの鼻パットが一体化しているものはずり下がる原因になるし、こめかみの張っている人が極端に横幅の小さい枠を選ぶとつるが反り返って掛けづらいものになるわけです。
自分のために掛けやすいメガネにするために、掛けやすいメガネを選ぶことからはじめていただけるといいなぁと思います。



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