murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

遠近両用レンズのフィッティング

遠近両用のメガネのフィッティングは加工前もお渡し時も結構時間を貰って行うことになります。今日はこのお話です。
単焦点メガネ(遠用・近用のメガネ等)はプレフィッティングとお渡し時のフィッティングのポイントとしては「痛くないこと」「きつくないこと」「焦点が合っていること」「傾いていないこと」などですが(度数の合っているいないは当然その前に確認すること!)、遠近両用レンズを使用されている場合にはそれに加えて高さのチェックや遠用アイポイントおよび近用アイポイントのチェックをさせていただきます。
ウチの店では、アイポイントのチェックをレンズ加工前にフレームを使ってプレフィッティングした後「ミラー法」と言う方法を使って確認します。これはお客様と自分の間に見下ろす程度の高さのテーブルを用意して鏡を用いて行う方法です。背中があまり丸くならないように注意しながら、また覗き込まないようにしながら、作業距離に相当する位置に鏡を持って行きますが、ウチでは鏡が備え付けの専用テーブルがあるのでそれを使っています。そうして向き合ったまま鏡の中心の印(ウチでは黒い丸)をを見てもらいます。こうしていると、手元を見る位置に目が移動しているわけですからその目の位置(瞳孔)が鏡に映っている場所を確認するわけです。このときに各メーカーからレンズ専用のアイポイントシールが出ているのでそれを使って目線の通る位置を確認します。本来この「アイポイントシール」は出来上がりのメガネレンズに貼って、遠用部・累進部・近用部の位置確認と累進帯の流れをつかんでいただくために使いますが、はじめて遠近両用レンズを使うという方や遠近両用レンズの使いこなしが難しいとご相談にいらっしゃった方には有効な方法だと思います。しかし、近用部の広さや側面へ視線を動かしたときの揺れゆがみを確認するときや、立って歩いていただく時にはあると邪魔になるのではがして確認してもらいます。

セイコー・HOYAのアイポイントシール
f:id:k-hisari:20090108151230j:image
f:id:k-hisari:20090109142409j:image
このほかにもいろんな種類があります!

はじめて遠近両用レンズを使ったとき、一番つかみづらいのが中間距離の見かたです(私が実際そうでした!0.75D加入とはいえ、中間距離はどうしていいのかって感じ)この場合近点視力表を持って手元がはっきり見える位置にまず持って行きます。そこからぼやける位置まで腕を伸ばしていって、アゴの上下をしながら腕を伸ばしきった状態ではっきり見える位置を探します。このときの見え方は、細かい字までははっきりしないことが多いと思いますのでその点を一言添えると「見えない」という意識に繋がらないと思います。中間距離の確認が出来ると累進幅を感じていただくために左右に顔を振ってみて、どのくらいで揺れゆがみが出てくるのかを実感していただきます。
この「揺れる・ゆがむ」が単焦点メガネにはない部分なので、遠近両用メガネを作った場合には自宅に持ち帰る前に店頭で必ず顔に掛けてみて、どんな感じで見えているのかを確認します。特に手元を重視してアイポイントを上に上げている場合には遠方視のときにぼけると言うクレームが出ます。慣れるまでの2〜3週間は遠用ポイントを下げて(瞳孔よりも2ミリほど下)若干鼻メガネになっている感じにフィッティングしておきます。そうして、遠近両用レンズの使い方に慣れてきたら、徐々に位置を上げていくようにします。<遠近両用メガネを作ったら「作って終わり」ではありません!慣れていただく間はいくらでもご相談に乗りますよ!!!いや、どんなメガネでもそうですが(笑)
長年遠近両用レンズを使っている方でも、レンズの種類が変わると掛けた感じが違うと言うことがあります。その場合もフィッティングと装用感の確認をして修正していく必要があります。




にほんブログ村 健康ブログへ