murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

コンタクトレンズとメガネの違い

普段学校の授業はコンタクトレンズを使用し、家に帰ってきてからはメガネを使用しているという高校生(女性)の方からメガネの度数を変えたいというご相談を受けました。夏休み中にコンタクトレンズの度数をUPして1.0程度まで見えるようにしたら、メガネでの見え方とギャップがありすぎて疲れるとのお話です。
来店された時はメガネのみを使用していたのでコンタクトレンズがどの程度強くなったのかわからなかったのですが、1日使い捨てのもの(と言うことはソフトレンズですね)で、それまでは視力表の真ん中ぐらいまでの見え方だったのが新しいレンズを装用したうえでは眼科の視力表の下の方まで見えるようになったとのこと。メガネでは自宅にいてテレビの距離が見えにくいと言うことなので前のコンタクトレンズくらいの見え方でしかない、と言うくらいでしょうか。
メガネを作る為の視力確認をしたところ、今回は乱視が必要で近視自体も3段階強くなっていました。PDも昨年よりも1ミリ広くなっているので骨格自体が大きくなった(=身長が伸びた)とも考えられ、それにより近視が進んだとも考えられます。しかしメガネの度数としては−4.00Dプラス乱視が必要なのに対し、コンタクトレンズでは−4.00Dよりも弱かったはずだ、とのことでその点かなり心配されました。度数が強いメガネをかけて今後の視力に悪影響が出ないか、というのですね。
これにはコンタクトレンズと目の距離関係と、メガネのそれとが大きく違うことが関係しています。コンタクトレンズでは目の上に直接レンズが乗っているので、その距離は0と考えられますが、メガネは12ミリ〜15ミリ程度離れているためにその距離の違いを補正する(幾何光学的に度数換算をする)為、若干強めの度数が必要になってきます。ただしこれは+−3.00Dまでは必要ないと考えられます。
そのほか、コンタクトレンズのフィッティング状態でも微妙ですが影響が出る場合があります。この方の場合はソフトレンズですのでフィッティング状態が「タイト」(きつめ)になることはあまり考えられないんですが、「フラット」(ゆるめ)になることはありえるかもしれません。そうしてレンズの大きさが瞳の大きさよりかなり大きかった場合(ソフトレンズは元々黒目をカバーする大きさがあります)レンズと瞳の間に「涙のレンズ」が出来上がって、それが中心よりも周辺部の方に厚みが出来る場合には度数的に近視方向に作用しますので、「涙のレンズ」+「レンズ度数」で必要度数が成り立つので近視の度数がメガネよりも弱めに出ることも考えられます。(ただし極端な度数差が出るわけではないのです)
また、ソフトレンズであるので乱視の補正効果は低いことが考えられます。お調べした結果、乱視の度数を抜いてしまうと1.2出ていた視力が0.8までおちてしまうことがわかりました。さほど度の強い乱視ではなかったのですがこの視力差は無視できません。掛けられる範囲まで乱視を入れて、視力としては0.9が出るようにして作ることにしました。
コンタクトレンズと同じ度数で作るわけには行かないのか、とも聞かれましたが、実際調べていっていろいろな違いが出たことで(同じような視力を出すのにも違う度数が必要だとわかりましたからね)メガネもコンタクトレンズも、その都度調べて作るほうがより安心だとわかっていただけました。その逆に、メガネの度数でコンタクトレンズを作ってしまうと合わない場合もありえることもお話しました。何よりコンタクトレンズはメガネと違って目に直接密着するものですから、度数ばかりでなくサイズも合わないと目の上で酸欠状態が起こったり涙が乾きすぎるドライアイを引き起こしたりします。専門医のチェックを毎度していただいて作るようにしていったほうがいいと思いますね。