murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

オートレフで計測不能

今日来店していただいたお客様は現在使用中のメガネではなんとなくはっきりしなくて、もうちょっとくっきり見えてくれればいいんですが、というのが最初の御希望だったんですが、そのメガネはまだ作って半年くらいということで視力はぎりぎり免許の更新に問題ないくらい、というので0.7といったところかな、と話の内容から推察して行って、じゃあどこら辺まで視力が出せるか調べて見ましょうか、と言った時点ではさほど難しい状況ではないなぁと思っていたんです。
しかし、実際はオートレフでの計測が不能。しかも両眼とも即エラー表示が出てしまいました。
先日読んだばかりのセイコーオプティカルのメルマガでも、こういう時に焦りや動揺は禁物、とありましたが、そのとおりで焦ったりどうしようと迷ったりするのは自分もそうだけど被験者であるお客様も動揺するので絶対厳禁なんですね。今回は現在使用中のメガネがあるのでそのデータをもとに初期設定をして、まずはプログラム通り視力の確認を進めて行きました。
ただ、しょっぱなからこれはおかしいな、と思ったのはレッドグリーンテストでどんな度数になっていっても緑がはっきりする、という返事から変わらなかったのですね。この場合いろんな可能性が考えられるのですが(たとえば色弱とか色盲とかも含めて)この場合球面度数が強すぎる場合や乱視の度数が強すぎる場合にもこういった返事が来るだろうとも考えました。既メガネのデータでは−5.00Dの近視に−2.00Dの乱視が入っているのですが、はっきりしないという以外に物が歪むとも話していたので乱視が強すぎるのかも、と思ったのです。
しかしそれは乱視を確認する段階になって、私が考えているよりももっと難しいパターンだということが分かりました。乱視の確認はプログラム上(他覚的検査)では小さい丸で出来ている三角形が投影される視表を使っているのですが、乱視の度をいくら上げても均等にならないのですね。それこそ球面度数を超えて−6.00Dまで入ってようやく同じくらいとお答えいただけたのです。でも乱視表はそれできれいに見えてもその状態では視力表はものが重なってしまってよけいに見えなくなってしまった、というのです。
それまでの状態をあらためて考えてそのうえで推察すると、角膜のカーブがかなりきついのではないか、と思いました。確認のためお話を聞くと、これまで眼科での診察を受けたことはあるけれど、角膜に関しては説明されたこともないしまた乱視についても聞いたことはないとの事でした。私の考えは全くの想像でしかありませんし、当然断定もできません。でもそうだと仮定するとメガネで補正するのには限度がありますので、専門医で診て戴くこともお話ししました。が、たとえばコンタクトレンズで視力を出すというのは怖いし手入れも大変ということでメガネを作りたいという希望に変化はありませんでした。
今よりも楽に、またはっきり見えるメガネはないのか。という希望を実現するためにはデータとして正確であるよりも、見え方がどうであるかを優先させることにしました。視力表で見えている段階がすこしでも上がるのはどんな度数か、ひとつずつ確認していくと乱視は今までの半分で近視の方を右は3段階左は1段階上げる必要性がありました。はっきりというのは乱視をあげることよりも近視の度数見直しで効果が上がることが分かったのです。
最終確認はレッドグリーンテストをもう一度片眼ずつと両眼で行いました。オートレフで計測ができない時は視力確認もそうですが、これで度数が強すぎでは意味がありませんから、このチェックは一番大事なことだと思います。