murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

中学生の「微妙な」遠視

中学2年生の、部活動は野球をしているという男の子が席が替わったら黒板が見えにくくなった、とお父様と来店されました。話を聞くと学校の検診で視力はCとBとの判定で、すでに眼科にも行き、そこで「まだメガネの必要はないし目薬などの治療も必要ない」という判断で、注意事項として近いものばかり見ていないように、遠方視訓練をするとよいとの話だった、とのことでした。
学校検診での判断は、まぁひとつの目安ではあるけれどこのABC段階というのもかなり幅があるわけだし、それよりも眼科の先生が必要なしと判断されたのに本人が「見えない」といっているのが気になりました。6月になって席替えで一番前の席から一番後ろの席に変わってしまい、今まで見えていたのと違うのでとてもみえにくいというので、この段階では軽い近視なのかも、と思っていました。しかし、オートレフでデータを出してみるとほとんど0.00Dといってもいいくらいで(乱視の+0.25Dが出てくるくらい)もしかしたら緊張状態で居るのかと思ったのでレッドグリーンと雲霧もかけて調べてみたところ、基本的に度数がなくても視力は1.0まで出て、入れるとしたら右目に遠視性の乱視が+0.50Dのみ、という結果でした。
しかし、視力表を見ていただいている間の反応が終始あいまいというか、特に斜め方向になるとどっちにあいているのかわからないといった反応で、右と左の真横に開いているものもすぐに返事が来なくて「横」という答えが返ってきたりしていました。
中学2年というと、目の構造としてものの見え方にようやく慣れたころといえるわけで、赤ちゃんのまだ目そのものが小さいために遠視である段階から成長とともに目の筋肉を使って調節をすることを覚えてものを見て、左右の見え方を重ねて立体視が出来上がってきた頃、といっていいと思います。その段階でものの見え方があいまいだとその後の目ばかりでなく身体の反応にも影響が出ると思いますから、「どう見えているか」を理解できるのはとても大事なことです。普段はテレビも30センチくらいの距離で見ているというし、部活動のほかはゲームで遊ぶのが好き、というのでその距離で目を使っていると目そのものはあまり動かない状態でものを見るのが習慣になってるのだと思いますから、遠方視訓練で遠くの山を見るとか高速道路の動いている車を見るとか、雨が降ったら窓に当たるその雨の動きを追いかけるとか、とにかく目の筋肉を使うというお話をさせていただきました。
この程度の遠視なら調節力で十分カバーできる年齢だし、身体の成長と目の使い方がきちんとできれば老眼で手元が見えにくくなるまでメガネなしでいける状態ですから、わざわざ「視生活環境」でものが見えにくくさせる必要はないと思うんですよね。
お父様にも遠方視訓練にことをお話して、ご協力いただくようお話しました。