murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

意外に修理できないと思ってる人が多いです

店でお客様から承る内容はメガネの作成やそのご相談ばかりでなく、メガネの修理もあるんですが、意外なほど「メガネの修理」が出来ると思っている方が少ないことに驚きます。そりゃ中には修理ができないフレームもあります。例えばセル枠(プラスチック製のフレーム)がポッキリ折れたなんていうのは申し訳ないですが修理できません。接着剤でつくんじゃないかと思われるかもしれませんが、強度が全然違いますので顔にかけて使っている間に確実に再度折れます。また瞬間接着剤の使用方法のところに「メガネ」と書かれているんですが、あれは私からすると「嘘だろ」と思う内容でしかありません。金属枠とかの耳あての部分(先セルといいます)がずれるのを止めるために使う程度ならまだ理解できるんですが、それだってくっついてしまった先セルを交換するときになったら削り取る以外に方法がありませんので最悪枠自体に傷が入ります。またレンズをとめるところのネジ周辺(部分によりヨロイとかネジ受けとかといいます)が折れる曲がる、又はネジが中折れするなどの場合に一時レンズを押さえておきたいからと瞬間接着剤でくっつけてしまうのは絶対に避けていただきたいことです。この接着剤は揮発性が高いんですね、レンズに影響がないように付けたつもりでも、見るために必要な大事な部分に接着剤が飛んできて、薄い膜のようになる場合があります。無理に取ろうとするとそれが広がってまるで磨りガラスのように白っぽくなる場合もあります。そうなると元に戻すのがなかなか難しいですしレンズ交換をしなくてはならない場合もあります。またレンズ交換をしようとしても、上記のようにレンズが接着剤でくっついているものを枠からはずす場合に枠の側に接着剤の塊が残るなんていう場合があります。そうなると、レンズが綺麗に入りません。瞬間接着剤はくっつけるものの双方が平らな状態のときに一番その威力を発揮します。説明書きに「滑らかな平らになるように」でこぼこしてたらやすり等で均してくれと書かれているときがありますが、そうしないと「瞬間接着」しないからです。金属枠の折れてしまった断面を良く見ていただくとわかるんですが、ほとんどの場合が滑らかじゃないんですね。上手くついたとしてもすぐに外れてしまうのは、この目では確認できないくらいのでこぼこの部分が接着されていないからということがありえるんです。
以上長々書いた接着剤のこと、これは今まで実際に持ち込まれた修理枠で私が体験したことなんで、この接着剤に関してはたとえどんな接着剤でもとにかく『使わないで下さい!』と声を大にしていいたいんです!!!修理する時にすんごく苦労するから(汗)
あと交換できる部品なのに交換できないと思ってる方も多いですよね。鼻パットとか先セルとかは使っているとどうしても汚れてくる部分なので、これには各メーカーとも当然のように交換部品が用意してあります。また部品のみ扱ってるメーカーもありますが、そこではサイズや色も豊富にパーツとして販売しています。気分を変えたいときなど、先セルだけ替えると言うのも隠れたおしゃれになっていいと思います。同じようにナイロール枠(上にだけ金属フレームがあるものなど)の金属部分に入れる「ナイロールバー」や下の部分のつり糸なども店頭で修理可能な範囲です。このナイロールのレンズをつっている糸の部分は一般の釣り糸とほぼ同じもの(ただし太さは12号くらいですが)なので、経年変化やひと夏過ぎて熱が加わって脆くなってたりすると簡単に切れることがあります。突然切れると驚くと思いますが、すぐに直せますのでぜひ専門店に持って行っていただければと思います。
金属枠でブリッジ(左右のレンズを繋げている部分)やテンプル、レンズを囲んでいるリムと呼ばれるところも、場合によっては折れることがあります。一番多いのがテンプルの付け根のネジを入れる環の部分で、特に片手で掛けはずしを常時している方は、左右のテンプルのどちらかに負担がかかっていることが多く、ここがねじれて折れると言うことが多々あります。同じ理由でヨロイ(メガネの前枠とテンプルを繋げる部分)が曲がる・折れると言うことがあります。またケースに仕舞わないで胸ポケットなどに入れて持ち歩き、ぶつかって曲げる場合や人が歩いたり座ったりする場所に置いておいて、自分で踏んじゃう方もいます。そうなるとこの部分がダメージを受けることが多いです。ある程度は店頭で直りますが、それも難しかったり完全に折れている場合にはメーカー送りの修理になる場合があります。
ここでたまに言われるのが「直ると思ってなかったから、折れた部分は捨ててしまった」と言うお話なんですが・・・・・これが一番困る!
メガネ枠の場合、特にデザイナーモノなんかだと同じものを継続して作っているとは限らないので、たとえ壊れたものでも「そのフレームのパーツ」があれば直すことが出来るんです。ほぼ元通り、ていうか、カラー直しまですると新品同様になりますから捨てちゃうのは店に持ち込んで「これは修理不可能です」と言われてからでも遅くないんです。
ホント、直ると思ってなかったという方が多いのには驚きですが、どんな状態になっていてもまずは相談してくださるとありがたいです。そりゃー新しく作ってもらったほうがお仕事的には嬉しいですけど(笑)、ダメだと諦める前に、お店に持っていってみてください。あ、それと、出来れば曲がりとかはご自分で直そうとしないでいただけるとありがたいです。曲げていい場所といけない場所がありますからね、そこをわかんないで広がったからといってブリッジ部分で内側に曲げられると、見え方が変わっちゃうんですね。
ぜひぜひ、メガネが壊れた!となったら修理のご相談にいらしてください。