murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

はじめて遠視のメガネをかける人

先日、総合病院の眼科で処方箋を貰って、眼科の先生には「このメガネになれるようにしてくださいね」と言われたと仰る方がウチの店でメガネを作ってくださいました。ウチではご主人が遠近両用を、ご本人は手元用を作ってもらっていましたが、遠く用は初めてです。メガネの度数はS+1.25Dに乱視が+0.75Dはいる程度、遠視の度数としてはそんなに強くはないですが、いままで遠く用メガネを掛けたことのない方にはちょっと慣れるのに大変な度数でもあります。これが処方されたのは60歳代後半の女性の方で、高血圧で内科に通っていてそこからそろそろ眼科の診察もしてみたらどうだといわれたところ白内障の兆候があるといわれてかなりがっかりしたんです、と言うお話を最初にメガネのレンズとフレームを選びにいらしたときに言っていました。それが、10月の第一週のことです。
その週のうちに出来上がりのメガネをお渡ししたときにも、はじめて遠く用のメガネを掛けるので心配だというのでとにかく短い時間から慣れていただくようにとお話しました。午前中に5分から10分程度、テレビを見るときに掛けて見て違和感がなかったら午後からまた一度同じようにやってみる、と言うのが1日目として徐々にその時間や回数を増やしていくと言う慣れ方を話したんだけれど、たぶんこれでも1〜2週間は変な感じが続くだろうなと思ったのでそうお話はしてみたんですね。
そうして今日、そのお客様が「どうにも慣れなくて立ち上がれないけど、どうしたらいいかね」と言ってやってきたので、どんな時に立ち上がれなくて慣れないと感じたのか、を聞いてみたら、結婚式に出席して席に座って花嫁さんの顔を見ようとメガネを掛けたときは綺麗に見えたけど、人がどっと前に出たので自分もと立ち上がったら周りが揺れて気持ち悪くなったし歩くことも出来なかった、と仰るんです。特別な場面であったことは確かだとは思いますが、時間的な経過を見るとちょっと慣れるのに時間がかかりすぎかな、とは思いました。
まず、結婚式出席の以前にも立って歩いてみたことがあるのかときいたところ、それはまだしたことがないし、テレビを30分見ているのにやっと慣れたところで、自宅で動かないで遠くの景色を見ているのは平気になってきたけれど、外に持ち出して何か見ようというのはまだできないと思っている、という返事でした。
一つ一つ話を聞いているときに感じたのは、眼科で診てもらった度数は自分に合っているのか気になっている、というものでした。たとえば度数を書いてくれたのは先生じゃなくて看護師さんだったからそれでよかったのかとか、立ち上がるとゆれるのでメガネをかけていると疲れるんじゃないかとか。聞いた中での一番の不満は眼科で「0.5だからこれでいいでしょう」と言われたのが、メガネをかけて0.5しか見えていないのなら意味がないんじゃないか、というもので、でもメガネをかけると動かなければ離れているもの(10メートルくらい先のポスターとか)はかけてたほうが楽と言うのでどうも言ってることと見えてる状況が合致しないなぁと思ったんですね。
そこで、見え方の確認のために測定室に入ってもらうことにしました。メガネを作るときにはウチで調べるんだったら使いますが、眼科の処方箋を持っていらしてるときはよほどのことがないとここで度数の確認をするということはしません。眼科の処方箋は、メガネと言えども薬の処方箋と同じなので、医師の許可なく勝手に変えることは許されていないんです。変えるなんてことすると、怒られてしまいますよ(汗)
で、眼科の処方箋どおりに出来ているのを確認してから、まずレッドグリーンテストをして裸眼だと緑のほう、メガネをかけると赤のほうがきれいに見えることを確認し、次に乱視の有無を見るための放射状の線を見てもらって、どんな状況で見えているのかを一つずつ説明していきました。レッドグリーンテストは赤が見えている状態だと網膜よりも手前もしくは網膜上で焦点が当たっているわけで、乱視のテストではメガネのない状態だと焦点が結ばれないので放射状の線自体がぼやけて見えると言うことを理解してもらいました。視力表を使い、どこまで視力が出ているのかを見ていくと両眼で1.0まで見えているのがわかりました。生活視力としては申し分ない見え方です。そのことをお話しすると、「安心しました」と本当にほっとしたような顔をしてくださいました。
それから何が不安だったのかと思ってお聞きしていくと、今までは人よりも遠くが見えることがすごく自慢だったのに、今でも遠くの山の上は見えると思うけれど普通の人が普通に見えるところ、たとえば道路を挟んだ向こう側が全然見えないと感じるのがなぜなのかがわからないのと、せっかく作ったメガネで遠くは見えるけど手元ははっきりしないのがどうも不自由に思う、と言うことだったんです。何か悪い病気ではないのかとか、このメガネを使っていて何度も掛けはずしをしていて目に悪いんじゃないかとか、そう心配されていたんですね。
遠視の目ですので、元の裸眼の状態だと今までは高性能な双眼鏡をかけているようなもので、調節力が旺盛だった時(若い時分)には遠くも近くもピントがすぐに合ったでしょうけれど、調節力が落ちている今は高性能すぎる双眼鏡になってしまって遠くに焦点が合いっぱなしなわけなんで、その分メガネを使って高性能な双眼鏡を外してあげなくちゃいけないんですよー、それに遠く用の焦点で設定されてるんで、手元の焦点にはまだ+2.75D度数が足りない(これは手元の使用距離を測って近点視力表で割り出しましたよ)んで手元はこの度数では見えないし、遠視は病気じゃないし慣れるのに掛けはずししても目にとっては全然問題ないし、掛けはずしが悪いんじゃないかってメガネを掛けないでいるほうが良くないですよー、とお話しました。
うーん、遠視ってやっぱり難しいですよね。でも慣れていただけると絶対見るのが楽になるのでね、そのためのお手伝いはしっかりさせていただきます。




にほんブログ村 健康ブログへ