murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

目線の使い方が難しい、というご相談

先日7月の末頃に遠近両用メガネを作ってくださった方から、「頑張ってるんだけれどどうしても見たいところで見ることが出来ない、このメガネが使えない!」とSOSのようなお電話を頂きました。作っていただいたのはニコンのプレシオパワーで、それまでは出来合いの老眼鏡を使ってパソコンから手元までの距離を見ていたとのことですが、作りに来ていただいた時は「パソコンを見ていると遠くを見ようとしてメガネを外すと周りがぼやけるし、手元を見ているとパソコンがぼやけるし、老眼鏡で見える距離にあわせると仕事が出来ない」ということでそろそろちゃんとしたメガネが必要かな、と来店してくださったのでした。
眼の状態はと言うと遠視+乱視で、遠方視用のメガネの必要な全く感じたことがなかった(と言う方は遠視の方には本当に多いです)とのことでしたが、無視できる度数ではなかったのでレッドグリーンも使ってご本人にもきっちり確認していただき矯正度数を入れ込んだ遠近両用を作ることになったんです。
この時点でメガネは初めて使用するのと同じですから(出来合いの老眼鏡は正しい度数の普段使いとは言えないので)、遠く用の度数だけでも慣れるまでに時間のかかることに加えどんなに性能のいいレンズでも揺れゆがみは感じる遠近両用レンズを使いこなすのには相当時間がかかりますよ、とお話させていただいてました。
今現在私自身も新しいメガネ(遠近両用です!)にして1ヶ月になるかなぁと言うところですが、ようやく気にしないで遠くが見えるようになって来ましたし、パソコンなどの近距離を見続けているとやっぱり目線を上げたすぐには焦点が合わないなぁと感じます。これはどこのメーカーのレンズを使っても同じなのでレンズではなくて目の方の「調節力」「ピント調節」の不具合、いわゆる目の疲れから来ているんだと思うんですが、これも「目の使い方」がどうであるかにかかってくるんです。遠くを見ているときに調節を過剰に使わないでいられるか、または補正がきちんとされているか、「楽に網膜まで映像が届く」状態になっているかどうかがポイントなんですね。
さて、遠近両用メガネに見たいところを見ることが出来ないとお話があった方ですが、もう一度ご来店いただいて目線の使い方をどうやっているのかから見させていただきました。メガネ自体はまだ慣れないから手元を見るときだけ使っていると言うことでしたが、それが老眼鏡を使うときと同じように顔をグッと下げて手元を見ようとしているのですね。そうすると遠近両用レンズの中でも遠く用の度数が入っている部分がちょうど目線と重なるので、どう頑張っても手元に焦点が合いません。また、よく見えないからと言う理由でメガネの位置をかなり高い位置に掛けていて尚且つ顔を下げるものですから中間から手元の掛けての横揺れが大きくなる部分で見ようとしているということがわかりました。
まずはメガネの位置の確認をして遠くの視界を確保することにしました。遠用度数がプラスなので、裸眼よりも焦点が若干ですが近くに来ますのでそれだけでも室内では楽に焦点が合わせられるようになるはずです。そうして顔を下げないで目線を下げることの練習を何回かしていただいて、「縦に目線を動かす」と言うことを覚えていただきました。(このときはやらなかったんですが、この縦に目線を動かす練習にはアイポイントシールがかなり役立ちます)
そうやって練習していただいてから1週間目、昨日その方がいらっしゃったのでその後どんな感じか聞いてみると「今は車の運転の時に主に使っている」と言うお返事でした。手元も見える場所を探してからだけれど使えるようになってきた、とのことですが、今までは車の運転をすると会社の行き帰りだけで目がしょぼしょぼしたのがこれを使うと全くなくなった、というんですね。(そりゃーちゃんと矯正視力出してるんで、当然って言えば当然なんですけど)そうなってくると身体全体の疲れが少なくなったようだとも仰ってました。
遠近両用メガネは「目線の使い方」が最重要ポイントです。間違うとどんなにいいレンズも全然使えないのでどうも使いづらいと言う方はそこを再度チェックするのも必要かもしれません。どうぞメガネ屋に相談に来てください。