murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

これってなにやってるの?な検査『レッドグリーンテスト』

ウチの店でメガネを作っていただく場合、見え方を調べることからはじめるときにはまず「オートレフラクトメーター」と言う機械の前に座っていただいて、目の奥まで光を当ててその跳ね返ってくる時間(速度)を度数に置き換えてだいたいの度数設定をしてから「視力検査機」(と言っても5メートル先の視力表を見ていていただくだけなんですが)で他覚的検査というのをします。このときに一番最初に見ていただくのが『レッドグリーンテスト』です。
こんな感じ。
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実際に使ってる視力検査表をデジカメで撮ったんで、斜めになってますね(汗)
メガネ屋によっては顔ごと機械の中を覗き込んでこういったものを見たり、1メートルくらい先にこの視力表があってそのものの大きさを調整してあって5メートル先を見ているのと同じにしてあると言うものもありますが、日本の基準として5メートル先の1.2の視力表が見えていれば視力は正常であるので、これはやはり実測で5メートル離れて確認していったほうがいいんじゃないかなと思います。
ウチで使っている視力検査機はHOYAから入っているものですが、今はトプコンと言う会社と一緒になっているので厳密にいうともうHOYAの機械じゃないですよね。MDR−3000という結構大きな機械です。これのレンズが回転して入れ替わる部分を目の前に来るようにセットして、まるで双眼鏡を覗いてるような格好で見え方を聞いていくんですが、これでオートレフの値を入れた状態でまず「赤と緑の中の黒の二重丸」を見てもらうわけです。
大事なのは「赤と緑」の色が判別できるだけでなく、「中の黒の二重丸」がわかるということ。これがはっきりわからないとなると、ただ度数設定だけで解決しない何らかの問題が眼の中にある可能性が少なくない、と言うことになります。この部分はものすごく曖昧、医者じゃないので問題があるとははっきり言い切れない部分ですから、見え方を聞いていって後々まで視力の出方が悪かったらやっぱり眼科に行ってくださいとお願いする最初の目安になるわけです。
では「赤」の二重丸がはっきり見えたらどうなるか、この状態は眼の中のスクリーンである網膜よりも手前に焦点が合っている状態であると言えます。これがもし裸眼(メガネのレンズを解さないで見ている状態)で赤の方が綺麗に見えていたら近視であるということがわかります。
それでは「緑」の方だったらどうかというと、網膜よりも後ろで焦点が合っている状態であるとわかるので、検査機にすでに度数が入っているのなら近視の場合には過矯正(度が強すぎる)遠視なら補正が足りない(度がまだ弱い)とわかります。
なんでこんなことがわかるのかと言うと、「目の色収差」を利用して、そのズレによって屈折を確認しているわけです。メガネの度数のいらない「正視」状態の人はこの赤と緑の色の光は網膜を跨いで焦点が合う為、どちらも同じように見えます。屈折異常(メガネが必要な目のこと)がある場合には必ずどちらかに寄りますから、この赤と緑がだいたい同じに見えるような度数を探す=正視状態と同じになるように補正する、と言うことになります。乱視がある場合にはこの同じくらいに見える状態の事を「最小錯乱円」と言います。
この「レッドグリーンテスト」でもとめるのは網膜に対してどこで焦点が当たっているのか、と言うことです。いくら視力が出ていても、過矯正の状態では目が疲れるばかりで最適とはいえません。また補正する度数が足りなくても見え方が足りないわけですから最適ではありません。またそれだけでなく、屈折異常や調節異常があるとわかった時点でこの状態でメガネを作ることが最適かどうかを考える材料になります。
メガネを作りたいとお話いただいて、見え方をすすめていく時にはこれのチェックがまず大事!あと利き目のチェックも度数のチェックも大事ですが「見え方に異常があるかどうか」の判断の最初の一歩が『レッドグリーンテスト』です。




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