murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

プラスレンズの外径指定

今日加工した手元用のメガネのお客様は、先日遠用のメガネを作っていただいた方で、遠視が若干ある小顔のおばあちゃまなんですが、その遠用メガネの加工時にずっと使っているかなり大きなフレームにレンズを入れて欲しいとのご希望がありました。フレームサイズは56、なのに目と目の間隔(PD)は58ミリ(汗)・・・・・加工機に枠を入れて加工時の詳細設定をしてみるとレンズを加工する際の最小径は70ミリ必要と出てきました。ここまではいいんです、そうだとわかったら今度はいろんなメーカーから出ているレンズの中から、該当する度数で70ミリの大口径加工が出来るものを探せばいいんですから。なのに注文とったときには全然違うフレームで加工予定だったものだから普通の65ミリのレンズが来てたんですね!<まぁ、あとから違うフレームにしたいってのはよくあることなんですが・・・(汗)
これでは加工できないので、どうして今すぐ加工できないのかを説明してもう一度レンズの発注をしなおしました。なんたって加工できる大きさよりも5ミリも小さいんです。正確な目の位置(PD)よりも3ミリはずれるだろうから、そんないい加減なメガネを作ることは出来ません。目の中心とレンズの光学中心が全然違うと見えるけれども疲れる、そんなメガネが出来上がってしまいます。そうならないように加工時にどのくらいの大きさのレンズが必要なのか、プラスレンズの場合には確認する必要があります。
遠視の方や、多くの方の手元用のメガネを作るときに必要とされるのが「プラスレンズ」なんですが、これは凸レンズ(真ん中が盛り上がっているレンズ)で、ほとんどのメーカーが基準径として65ミリを採用していて、オプションとしてある外径指定は通常基準径よりも小さい径にすることが出来て最小は55ミリまでとなっています。レンズガイドなどにこのプラスレンズは元々大きな口径で作っていますよ、と載っている非球面レンズ以外だとニコンのVIDAシリーズやHOYAのハイルックス1.6あたりで70ミリまで大きくすることが可能で、この製作範囲に入っていないレンズで径を大きくしようと思うと今度は偏心加工と言って中心をINもしくはOUT方向に1ミリ単位でずらすという加工をしなくてはなりません。外径指定はたいがいのメーカーが無料オプションとなっていますが、偏心加工は有料オプションなのでこれも注意したいところです。
ところでプラスレンズの外径指定をするといったいどんなメリットがあるのか、図にして見ました。

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フレームの大きさと目と目の間隔(PD)、これが基準となります。目の間隔が狭いのに大きなフレームにしたいとなると大きなレンズが必要になるし、小さいフレームだと必要最小限までレンズ径を小さくしてふち厚および中心厚の薄いレンズを作ることが出来ます。こうすることで軽量化も見込めますから、遠視の方で今まで「度数が強いから分厚くて重い」メガネを使っていた方もかなり軽いメガネにすることが出来ます。
上の遠用メガネは70ミリにしなくちゃいけなかったお客様の手元用は、フレームサイズを48にすることでレンズは60ミリまで小さくすることが出来たので、手元用のメガネはかなり軽い出来上がり。元々お顔の小さい方なので、フレームサイズはこれで十分でした。今まで手元用のメガネは重くて字を見ると下がってきてわずらわしいとのお話でしたので、お渡しするときにどんな反応をされるのか楽しみです。




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