murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

遮光レンズについての補足と分光透過率曲線

昨日の網膜色素変性症の方にオススメしたレンズについての補足です。基本的にHOYAレチネックス http://www.vc.hoya.co.jp/lens/option/color_retinex.html を参考にしていきます。
「明るい光がまぶしい・コントラストがはっきりしない」と言うのが網膜色素変性症の場合の見え方の特徴として上げられますが、この場合色の波長の中では短波長と呼ばれる500nm以下の波長をカットすることで状態の軽減が望めます。しかし、一般的なプラスチックレンズではかなり色を濃くしないとその効果は得られませんし、単純に色を濃くしても紫外線カットが施していなければ何の意味もなくなります。また無色レンズでは400nm以下の波長をカットできますが「まぶしさ」に関わる500nmまでの波長はカットできません。

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上記は代表的な色の分光透過率曲線をまとめたものですが、以下にその補足説明をします。
1 赤線はブラウン15%染色の紫外線カット無しのレンズ プラスチックレンズであるので360nm近くから波長カットが始まるが、それでは320nm以下のUV−B波はカットできてももっとも目に有害と言われている400nm以下のUV−A波はカットできない
2 紫線は1.60プラスチックUVカットあり無色レンズ 確実に400nm以下の紫外線はカットするけれど、まぶしさのもととなる500nm以下はカットできない
3 緑線はレチネックスソフトSY−25 白内障術後の方に有効な特殊フィルターでヒト水晶体に近い透過性を持ち、術前と変わらない見え方が得られる
4 ピンク線はレチネックスフルカラーOR85 オレンジ系85%染色レンズで500nm以下の短波長は確実にカットする このほかにイエロー系YE85・レッド系RE85・イエローブラウンYB85・ブラウンOB85があるがYB85とOB85は可視透過率が低くなる
5 青線はプラスチックブラウンフルカラー染色80%レンズ 可視透過率が低くなるが短波長長波長ともに目には届いている 濃いレンズを使用する場合にはUVカットを必ず施したほうが良い

調光レンズであるサンテックネオのブラウンカラーは、この場合2と5の機能を兼ね備えているんじゃないかなと推測します。屋外で使用する場合の最大濃度が90%とすると、可視透過率が低くなおかつ400nm以下の波長をカットできるのでまぶしさよけの効果は高いのではないかな?とは思います。コントラストを高めるとなると色はやはり赤系黄色系の方が有効のようです。ただ赤系黄色系の色は「特定波長の減衰特性があり、信号を誤認する危険性があるので、昼間の運転には適しません。」という運転不適合に該当する場合がありますし、また昼間の運転が不適合に該当するレンズは夜間運転には不適合であるし、昼間の運転には適合していても可視透過率が75%未満のレンズは「視感透過率が75%未満のレンズは、夜間や薄暗い場所で視力低下の危険性があるので、夜間や薄暗い場所での運転には適しません。」という夜間運転不適合に該当することがあり、選択には十分注意が必要です。
どれが自分に一番合っているか、これは実際に試して見るのが一番だと思います。しかしこのごろはレチネックスのような特殊レンズはあまり販売しなくなりました。レンズ自体の機能が上がったというのもあるかもしれません。





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