レンズの端が欠けちゃう - murasehisariの写真屋さん日記

高校生（男子）がお使いになっているメガネですが、１年も経たないうちにメガネの耳側上の方、ちょうどきつめのカーヴが付いているところが欠けてしまって一度レンズを換えてはいるんですが新しくしてからまだ半年経っていないというのにもう同じところが今度は左右とも欠けているんですね・・・うーん、なんでだろうと思って使用状況とかをちょっと詳しくお聞きしたんですが、左右差があって近視で右は−１．５０Ｄ、左は−２．５０Ｄなんだけれど掛けはずしが多いということと、ケースに入れていてもカバンごと放り投げるとか（笑）背が高いのでいろんなドアによくぶつかるとか天井の低いところだと鴨居にぶつかったりするだとか、まぁメガネ自体が衝撃を受けていることは間違いなさそうなんですが、ほかにも、これが原因かもと思うことがありました。
まずはフレームですが、素材がアルミニウムの大変薄くできているレンズインフレームで、これはレンズ自体に掘ったナイロールの溝にフレームのエッジが直接入ってレンズの周りをぐるりと取り囲む状態で枠いれされているんです。通常のフルリムはレンズよりもフレームが外にある（レンズの厚みが外に出ているというのではなくて、横から見たときの断面として、です）わけですが、このフレームの場合にはフレームそのものも薄いしレンズが外に出るので外からの影響が直接レンズに来ることになるんです。
また使用しているレンズなんですが、これがプラスチックの屈折率１．５０のもので、このレンズは現在一番多く販売させてもらっている屈折率１．６０素材のものが出てくる前にとても多く使っていた、いわば一世代前のメインプラスチックレンズではあったんです。ですがより薄く、より強度があって加工性の高いレンズをメーカーが開発してきてからは廉価版としてメガネの一式価格を抑えたいときにオススメしているものなんです。屈折率が低いので厚みも出ますが、スタンダードレンズとして人気がある商品ではあるんですが、レンズ強度の面では欠けやすい傷つきやすい、そういった短所もあるレンズなんです。
ましてほぼ９０度の角度でカーヴが付いているので角がぶつかるとそこに衝撃が集中しやすい、衝撃が何度も繰り返されると鋭角だということもあって強度がより低くなっているところから亀裂が入る→欠ける、と言った進行状況なんではないか、と推察しました。
他にもこのシリーズのメガネフレームをお求め頂いている方がいますが、厚みが薄めの近視の方で１．６０の屈折率のレンズを使っている方に関しては今のところ欠けるというお話が出ておりません。しかし厚みの出る度数で１．６０の屈折率レンズの場合には１件だけありました。ガラス戸に激突した、と言う例ですがそうなるとレンズがむき出しなんで弱いんだろうと思います。
フレーム自体はオシャレなんですけどね・・・・・キース・バリーのデザインでものすごく軽いんですが、ツーポイントと同様にレンズは強度のあるものを使わないといけないってことですね。
この高校生のお客様はキース・バリーは予備用に取っておいて、今回はフレームも新規で一式作る、と言うことになったので、先日入荷したヨシキ・ヒシヌマともうちょっとハードなイメージのシャルマン・エロスをオススメしてみました。

フレーム単体で見ると大人しいのかなぁと言う印象だけど、顔に乗るとかっちりしてるのに垢抜けて見えるのはレンズカットの所為だと思う。ヨシキ・ヒシヌマ０８−０００７　５４サイズ。メイドインＪＡＰＡＮ。

テンプルは微妙表情違いの２色使い。段差になっているところは変わりバネ丁番。

バネ丁番部分を裏側から。プラスネジは抜けないようにコーティングされていて中の構造を見ることが出来なかった。