murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

レンズに対してやってはいけないこと

昨日、持ち込まれたメガネのレンズです。

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いったいどういうことをしたらこうなるのかとお聞きしてみたら、左レンズがはずれてしまったので何とか自分で直そうとしてまず木工用ボンドを使ったらしいんですね、それがつけすぎて上手くいかず、どうにかしようとして他の接着剤やはみ出た部分をとる為に除光液などをいろいろ使ったと仰るのです、が。
うーん、どう考えてもレンズの全面に(しかも表と裏両方に)接着剤を塗ったらしいですよね。左は持ち込まれたときには、乾いていなかった為なのかここまで持ってくるためなのか(たぶんその両方の理由で)ティッシュにくるまれていたんでその紙もびっしりとくっついていてそれを外すのがまず大変でした。
幸いなことに、フレーム自体には接着剤の影響がなく、レンズ止めネジもテンプルネジも鼻パット止めネジも普通に外すことができたので一旦全てをバラバラにして、枠の方は洗浄機で洗って何とか復活させることが出来ました。しかし転写でついてた色は全部はげて金色の地の色のみになって鼻パットと先セルは交換しましたけど。

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上が右レンズのマクロ写真。下は左レンズ。レンズは遠近両用だというのですが、この状態ではレンズメーターで度数を判別することが出来ませんでした。また、このレンズを何とか使えるようにしてほしいというお話だったんですが、よくよく見るとレンズの表面が全体に深くひび割れているのがわかりました。これは推測なんですが、接着剤が乾く時に表面のコーティングごと乾いていったんじゃないか、表面の状態がすでにあまりよくない(キズがあったりコーティングがはげていたりしてた)ものだったとしたらそこに入り込んでひび割れが広がったんじゃないか、と考えます。側面から見ると、もっとひどくひびが入っているところがあるんですが、これは接着剤の所為でレンズの持っているわずかな水分を奪ってしまったので脆くなった・ひびにつながった、というのではないかと思うのですね。
結局このレンズはもう使えないということをお話して、現在白内障で手術間直だというのでまず眼科の先生に度数を処方していただけるのかどうかの確認をしてからレンズを入れ替えることになりました。処分していいと仰るので、試しに無水アルコールに1時間ほどつけて置いてみたんですが全く変化なし。表面が薄く1枚剥げたかなと言うところですが、レンズの一部が一緒にはげてくるようでグラデーション染色のはずの色が斑になってしまいそうでやめました。
ここまでと言うのは初めて体験しましたが、レンズをおさえるために接着剤を使われると取り返しがつかないほどレンズをいためることがあるので、決してしないで頂きたいです。


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