murasehisariの写真屋さん日記

学校アルバムの仕事をメインに街の写真屋さんでお仕事してるmurasehisariの日々是徒然日記です

メガネのお手入れ

新しくて性能のいいレンズが出た、となるとじゃあメガネレンズのお手入れはそのレンズを使えばたいしてしなくていいんだな、なんてことにはなりません。ていうか、メガネのお手入れって言うのはポイントさえ抑えればたいして難しくないし面倒でもないし、特別なものも要らないしお金もかかりません。
乾拭きさえしなければいいんです。
基本的に、ガラスレンズもプラスチックレンズも汚れたなと思ったら水洗いをしてもらって、汚れのひどいときは水でざっと表面のホコリを落としたあと、食器洗いの洗剤(研磨剤の入っていないもので中性のもの)を直接でもいいし水に薄めてでもいいですから使って、指でぐるぐるっとレンズとフレームを洗ってからきれいにすすぎ洗いをして、ティッシュペーパーか柔らかいタオルで水気を十分にふき取ってから仕上げにメガネ拭きの布地(メガネを買うとほとんど必ず付けてもらえる柔らかい布)で拭いてもらうとピカピカになります。文章にするととても長く感じますが、外から帰ってきて手を洗うのと同じ感覚です。よほどでない限り、外から帰ってきて手が汚れてるかもと思ったときにはまず水道水で手の表面の汚れを落としてから石鹸を取ると思うんです。で、よく泡立てて手を洗ったあとはそのままにしておかないでタオルで手を拭きますよね、手順はそれと同じです。
メガネを水洗いしてください、とお願いすると、「そんなことは知らなかった」「そんなことしてもいいのか」「今まで聞いたことが無い」などなど、いろいろと言われますが『メガネは水洗いが基本』というのはどこのメガネ屋さんに行って聞いてもらってもそのとおりですと言ってもらえます。間違いありません。
メガネの洗浄剤が出回っていて、それを直接かけてふき取ればいいじゃないか、といわれることもありますしその洗浄剤でないとメガネはきれいにならないと思っていらっしゃる方もいます。しかしちょっと考えてください。外の空気に晒されているメガネの表面には、目に見えない単位の細かいホコリがついていると考えられます。特に砂埃が舞ってるところとか、アスファルトが周りにあるところとか(っていうとほとんどの場所ですが)、ハウスダストだって目に見えないし手で触ってもたいしてざらついてないかもしれないけど、「硬い汚れ」なんですね。それを洗い流さないでふき取るということは、わざわざその硬い汚れをこすり付けていることになります。どんなにやさしくふき取っています、といっても、洗い流してしまって表面にそれが残っていない状態よりは確実に「こすり付けて」います。
これが一番、傷のつける原因になります。特にプラスチックレンズは乾拭きが日常化しているとレンズの寿命といわれている3年よりもかなり早い段階で傷が入ってきて表面に細かい筋が無数に走っている状態になります。
次に気をつけるのは水洗いするその水の温度です。「水洗い」なので、水道水のそのままの温度だったら特に問題はありませんが、ガラスのコップや陶器の皿などと同じように考えて温度の高いお湯で洗うと油汚れもすっきり落ちるんじゃないかと考える方がいます。メガネレンズはお湯には弱いんです。触って温いな、と思う手前くらいの温度までで止めてもらえると一番いいです。お風呂のお湯も、それだと若干高めなのでもう少し低い温度のほうがいいですね。レンズばかりでなく、セルフレーム(プラスチック素材のフレーム)はお湯で洗い続けると早い段階で色艶がなくなります。また素材のプラスチックに微量に含まれている水分が蒸発しやすくなりますから、早くもろくなったりします。温度の高い状態がなぜ悪いかというと、レンズ表面にコーティングされているさまざまなコート膜の膨張率と収縮率がそれぞれ違うので、一旦膨張したあとに収縮したときの時間差が皺になって残るわけです。またそのコート膜も徐々に弱くなっていきますので、その温度差ではがれやすくなります。一旦コート膜がはがれるとそこからどんどんはがれていってしまいますので(これは日焼けした肌がむけ始めると、どんどん皮膚がはがれていくのに似ていますね)コート膜がはがれて汚くなったからといって余計にゴシゴシと洗ったり必要以上にメガネ拭きでこするのは逆効果になります。
最近のコーティングは結構強くなってるので、普通に使っていてもらって基本の手入れをしてもらっていれば3年以上は平気で持ちます。私は今かけているメガネは確か6年目ですが、透かしてみると熱による表面変化が若干わかりますけど見え方に左右するほどではないのでいまだに使っています。HOYAエアリストにHL16VS−Hを入れたものですが、このレンズの素材は元々熱に強いのでクラックが目立たないですね。
度数が変わらなければ、手入れ一つでずっときれいなレンズで使うことが出来ますから、まずは基本のお手入れをやってみてください。
とにかく乾拭きはしないこと!これだけは覚えといてくださいね。



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